» 2011 » 4月のブログ記事

福島原発の危機が時間を追うにつれ深まり、4月12日には国際評価尺度(INES)が史上最悪の旧ソ連チェルノブイリ原発事故と同じ「レベル7」に引き上げらました。
この危機に際して、緑風出版では今一度このチェルノブイリの事故が、当初どのように対処され、どのような被害をもたらし、どういう道を辿っていったのかをふりかえることは、「フクシマ」以降の時間を歩み始めた私たちにとって必要なことと考え、チェルノブイリの真実を伝えるロングセラー2点を、新装版として刊行することにしました。
「脱原発」への道を歩みださなければならない、私たちの歩みを確かめていくためにも、ぜひ今いちど手にとってごらんください。

チェルノブイリの惨事


チェルノブイリの惨事【新装版】

ベラ&ロジェ・ベルベオーク[著]/桜井醇児[訳]
四六判上製/224頁/2400円
ISBN978-4-8461-1106-9 C0036

1986年のチェルノブイリ原発事故が忘れ去られようとしている。だが、現地では30キロ圏の立ち入り禁止区域住民以外に100万人の住民避難が必要とされたにもかかわらず、さまざまな理由付けによって一向に避難が行われなかった。避難対象汚染地域は、300キロも離れた地域にまで及んでいた。その結果、子どもたちを中心に甲状腺ガン、白血病が激増し、先天性異常が増大、死亡者は増え続けている。そして将来これら被爆者のうち少なくとも40万人以上がガンなどで死亡するといわれている。しかも政府の無責任と国際原子力機関(IAEA)の被害隠しによって、深刻な事態が増幅されているのである。
本書は、フランスの反核・反原発の2 人の物理学者が、事故から1993年までの恐るべき事態の進行を克明に分析した告発の書である。
そして2011年3月11日、日本でチェルノブイリの惨事を上回る恐るべき事態が始まった……。

ドキュメント チェルノブイリ


ドキュメント チェルノブイリ【新装版】

松岡信夫[著]
四六判上製/382頁(グラビア16頁)/2500円
ISBN978-4-8461-1107-6 C0036

「私たちはどこか別に部屋が欲しいとか、お金が欲しいなどと言いに来たのではないのです。この3カ月間、放射能のことが心配で心配で、もうすっかり疲れ果ててしまったのです……」
チェルノブイリ原発からわずか29 キロの町コマリンからやって来た女たちの悲痛な訴えに、白ロシア共和国保健次官は返す言葉もなかった。
本書は、チェルノブイリ原発から2 年、当時のソ連体制下の報道管制によって情報が極めて少ないなかで、現地紙をはじめとするソ連国内の各紙誌を原資料に、事故の全過程、深刻化する健康影響など事故の全貌を明らかにした労作。
そして2011年3月11 日、日本が同じ道を辿りはじめた。


今、「脱原発」を真剣に考える

3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震とその後の大津波により、電源喪失状態に陥った福島第一原発は建屋内での水素爆発などを引き起こし、これにともなう放射性物質の放出は現在も続き、地球規模におよぶ放射能汚染という例をみない被害をもたらし続けています。

これに対する政府の対応は、事故の対処を当該企業に任せきりにする責任放棄状態。テレビを中心とした既存マスコミは、そうした政府・電力会社の発表を追随し、原発維持のための詭弁を弄し続ける御用学者・文化人・タレントを起用したキャンペーンを貼り続けています。根拠が明らかにされず、また責任の主体も明言されない、「安全」情報は、徐々にその基準を緩和する方向で更新され、原発周辺地域のみならず住民の健康が脅かされ続けるという、「人災」ともいえる状況が今も進行しています。

緑風出版では、そうした状況のなかで原発に対する正しい知識、わかりやすい情報、解決にむけた処方箋ともなる弊社原発関連書籍を「【特集】今、「脱原発」を真剣に考える」としてまとめてみました。

大型連休を控えたいま、ぜひ手に取ってご一読ください。

★話題の新刊

低線量内部被曝の脅威─原子炉周辺の健康被害と疫学的立証の記録

ジェイ・マーティン・グールド[著]
肥田舜太郎・斎藤紀・戸田清・竹野内真理[共訳]
A5判上製/388頁/5200円/ISBN978-4-8461-1105-2 C0036

チェルノブイリの惨事【新装版】

ベラ&ロジェ・ベルベオーク[著]
桜井醇児[訳]
四六判上製/224頁/2400円/ISBN978-4-8461-1106-9 C0036

ドキュメント チェルノブイリ【新装版】

松岡信夫[著]
四六判上製/382頁(グラビア16頁)/2500円/ISBN978-4-8461-1107-6 C0036

★原発問題の基本を知る─プロブレムQ&A

プロブレムQ&A─原発は地球にやさしいか[温暖化防止に役立つというウソ]

西尾漠[著]
A5版並製/152頁/1600円/ISBN978-4-8461-0814-4 C0336

プロブレムQ&A─むだで危険な再処理[いまならまだ止められる]

西尾漠[著]
A5判変並製/160頁/1500円/ISBN978-4-8461-0702-4 C0336

プロブレムQ&A—どうする? 放射能ごみ[実は暮らしに直結する恐怖]

西尾漠[著]
A5判変並製/168頁/1600円/ISBN4-8461-0501-6 C0353

プロブレムQ&A—なぜ脱原発なのか?[放射能のごみから非浪費型社会まで]

西尾漠[著]
A5判変並製/176頁/1700円/ISBN4-8461-0221-1 C0053

★プルトニウム、核燃料サイクルの危険性

破綻したプルトニウム利用—政策転換への提言

原子力資料情報室、原水爆禁止日本国民会議[著]
四六版並製/220頁/1700円/ISBN978-4-8461-1008-6 C0036

クリティカル・サイエンス・2核燃料サイクルの黄昏

緑風出版編集部[編]
A5判並製/244頁/2000円/ISBN4-8461-9814-6 C0342

高速増殖炉の恐怖[増補版]—「もんじゅ」差止訴訟

原子力発電に反対する福井県民会議[著]
四六版上製/502頁/4200円/ISBN4-8461-9605-4 C3053

高速増殖炉もんじゅ事故

緑風出版編集部[編]
四六判並製/296頁/2500円/ISBN4-8461-9610-0 C0053 ※美本なし

★エネルギー政策の転換は可能だ

主役に育つエコ・エネルギー

井田均[著]
四六判並製/212頁/1800円/ISBN4-8461-0502-4 C0036

原発の即時廃止は可能だ

ロジェ&ベラ・ベルベオーク[著]
桜井醇児[訳]
四六判上製/272頁/2000円/ISBN978-4-8461-0710-9 C0036

核廃棄物は人と共存できるか

マルチーヌ・ドギオーム[著]
桜井醇児、ル・パップ・ジャン=ポール[訳]
四六判上製/222頁/1700円/ISBN4-8461-0113-4 C0042

★世論をかたちに…

反原発運動マップ

反原発運動全国連絡会[編]
A5判変並製/320頁/2800円/ISBN4-8461-9716-6 C0036

★原発に依存しない社会をどうつくるか

エコ社会主義とは何か

ジョエル・コヴェル[著]
戸田清[訳著]
四六判上製/524頁/3400円/ISBN978-4-8461-0912-7 C0336

未来は緑─ドイツ緑の党新綱領

同盟90/ドイツ緑の党[著]
今本秀爾[監訳]
四六判上製/296頁/2500円/ISBN978-4-8461-0719-2 C0031

政治的エコロジーの歴史

ジャン・ジャコブ[著]/鈴木正道[訳]
四六判上製/492頁/3400円/ISBN978-4-8461-0509-1 C0010

政治的エコロジーとは何か

アラン・リピエッツ[著]/若森文子[訳]
四六判上製/232頁/2000円/ISBN4-8461-0019-7 C0010

緑の政策宣言

フランス緑の党[著]/若森章孝・若森文子[訳]
四六判上製/284頁/2400円/ISBN4-8461-0415-X C0031

緑の政策事典

フランス緑の党[著]/真下俊樹[訳]
A5判並製製/304頁/2500円/ISBN4-8461-0104-5 C0031


 3月30日、50年代以降のアメリカの核施設隣接自治体1300余の公式資料に基づいて癌リスクを徹底検証した『低線量内部被曝の脅威─原子炉周辺の健康被害と疫学的立証の記録』を刊行しました。

低線量内部被曝の脅威


低線量内部被曝の脅威─原子炉周辺の健康被害と疫学的立証の記録

ジェイ・マーティン・グールド[著]肥田舜太郎・斎藤紀・戸田清・竹野内真理[共訳]
A5判上製/388頁/5200円
ISBN978-4-8461-1105-2 C0036

  本書はアメリカ合衆国の核施設がもたらす健康被害について、大気圏核実験時代(1945年〜63年)に続く核被害を参照としながら、徹底した疫学調査をもとに、簡明な図表と明快な論調で解説する。
 とりわけ、アメリカ全土3,053の郡における人口および死亡数を追跡し、年齢グループを18に分けた上でのグループ別年齢調整死亡率を5年を1期間とした3期間を通じて割り出すという、膨大な基礎作業を通じて、核施設周辺での癌死亡率を分析していく姿勢は圧巻である。
 また大気圏核実験、チェルノブイリ核事故が、地球規模で影響を与えていったことについて、様ざまな統計データをもとに実証。放射能汚染が地球全体の問題となることについて象徴的に示し、高リスク地域から低リスク地域への移住が問題の解決にはならないことを指摘する。
 レイチェル・カーソンの予見を裏付けた、手ごたえのある警世の書。


 3月17日、『金持ちが地球を破壊する』(小社刊、2010年)で地球環境の危機・飢餓・貧困のグローバル化を「金持ち(寡占階級=オリガルキー)」の問題として描き出し、より少ない消費と、より良き分配をと説いた、エルヴェ・ケンプ(仏『ル・モンド』紙の環境問題欄担当)による『資本主義からの脱却』を刊行しました。

資本主義からの脱出


資本主義からの脱却

エルヴェ・ケンプ[著]神尾賢二[訳]
四六判上製/228頁/2200円
ISBN978-4-8461-1103-8 C0036

 エコロジー危機の深化を放置することは、文明の存立条件の継続的かつ深刻な崩壊につながる。富裕階級の虚栄的浪費活動がグローバルな文化モデルを規定し、政治経済を支配する寡占階級=オリガルキーが不公平と貧困と飢餓を生み出している。生物圏の均衡の限界を越えないためには、欧米日などの先進諸国の資源消費量を半分まで下げる必要がある。富裕階級に課税し浪費を止めさせ、資本主義の破壊的メカニズムから脱却することこそが急務である。


 3月8日、球磨川水系での多目的ダムに対する半世紀にわたる闘いを描いたルポルタージュ『よみがえれ!清流球磨川─川辺川ダム・荒瀬ダムと漁民の闘い』を刊行しました。

よみがえれ!清流球磨川


よみがえれ!清流球磨川─川辺川ダム・荒瀬ダムと漁民の闘い

三室勇・木本生光・小鶴隆一郎・熊本一規[共著]
四六判並製/232頁/2100円
ISBN978-4-8461-1102-1 C0036

 2010年3月31日、水利権の失効により藤本発電所は発電を停止し、一九五五年の球磨川総合開発計画により球磨川で最初に作られた発電専用のダム・荒瀬ダムのゲートが開放された。
 このダムによる振動・騒音・悪臭などに50年以上も苦しめられてきた住民達は、漁獲量が約20分の1に減った鮎漁の復活と、生活を守るため国を相手にたちあがった。そして日本初のダム撤去が勝ち取られた。
 また、同時に国土交通省が計画していた利水・治水・発電を目的とした巨大な多目的ダム・川辺川ダムの計画も、ダム被害の経験をもとに、漁業法や河川法の学習、水利権を梃子にした闘いで中止に追い込んだ。
 本書は、日本で初めてのダム撤去を勝ち取るなどの大きな成果を残した、球磨川漁民の50年にわたる闘いの記録である。ダム・埋立・原発等の問題で苦闘している全国各地の漁民・住民たちのために書き下ろされた、たたかいの勝利と地域の持続的発展のための知略のエッセンス。