» 2011 » 10月のブログ記事

 200万部のベストセラーとなった『買ってはいけない』(共著、金曜日)の執筆者でもあり、また小社からも『喘息・花粉症・アトピーを絶つ』『健康食品は効かない!?』『ヤマザキパンはなぜカビないか』『花王「アタック」はシャツを白く染める』『ファブリーズはいらない』といった、私たちが日常生活で頻繁に使い、あるいは口にしている商品への鋭い分析を出し続けている渡辺雄二さんの新刊が出ました。今回は3月以降、不幸にも私たちが日常的に考えざるを得なくなった〈放射能汚染〉にスポットをあてています。
政府による放射能汚染対策情報は、基本が人びとが慌てることで統制がとれなくことをおそれる「上から目線」に立っており、結果として事態を過小評価する傾向にあります。過小評価を至上命題とするあまりに、倫理的に許されない謝った情報が、かつての「大本営発表」のように垂れ流されることもあります。
幸いにして「大本営発表」の時代と大きくことなるのは、私たちはさまざまな情報をインターネットなどを通して得ることができ、それによって自らの身を守るためのノウハウとすることができます。しかし情報はあまりに多様であり、それを見極める「目」が必要です。
渡辺さんのこの本は、放射能汚染を避けることのできない現在の日本で、食と生活に不安を感じながらも、同時に適切な安全情報を見極めることにも自信の持てない皆さんに、適切な情報を与えてくれるとともに、そうした情報を見極める〈視点〉を与えてくれることでしょう。

どう身を守る? 放射能汚染

どう身を守る? 放射能汚染

渡辺雄二[著]
四六判並製/192頁/1600円
ISBN978-4-8461-1114-4 C0036

福島原発の放射能汚染は、政府の「大本営発表」と異なり、大気と大地、海や川、そして飲料水から野菜などの農産物をはじめ牛乳や牛肉といった酪農品、海産物まであらゆるものを大規模に汚染し、ますます拡大しています。政府の暫定規制値は、国際的にみると甘いもので、規制値自体が問題です。そうしたことから、特に放射能に弱い妊婦や乳幼児をもつ母親は不安な日々を送っています。放射能の影響にはこれ以下だと影響が出ないといった、いわゆる〈しきい値〉がないのですから、大人たちも安心はできません。
私たちは、ここからどうやって身を守ったらいいのでしょう? 政府の発表以上に私たちの被曝量は多いと考える方がよいでしょう。放射能汚染は、特に食物や呼吸を通じた内部被曝によって、長期的に私たちの身体を蝕み、健康を損なわせる可能性があります。一刻も早く放射性物質を排除していかねばなりません。本書は、各品目別に少しでも放射能を減らしていく方法を伝授します。


日進月歩という言葉が色あせるばかりの、中国の発展と高度の産業化。しかしそこにかつて日本が経験したような、さまざまな近代化の弊害が凝縮され、一気に吐き出されつつあることは報道などでもあきらかだ。しかしそれらの問題が、まさに国境線などないかのように波及してくるという環境問題の本質を考える時、私たちはそれを座して冷笑あるいは批難する他者でいることはできない。
本書はそのような中国の環境問題を、歴史的な背景に根ざして描写、ともに現代を生きる隣人としての視座から、課題を分析し、解決の路をさぐる。

世界の環境問題─第7巻・中国

世界の環境問題[第7巻/中国]

川名英之[著]
四六判上製/388頁/3500円
ISBN978-4-8461-1110-6 C0336

 世界で3番目に広い国土と世界1の人口をもつ中国。西欧列強による支配下から人民中国の成立、改革開放に至る今日の中国までの歴史を辿りながら、中国の環境問題の歴史と現状を総括する第7巻!
 森林伐採・砂漠化と砂漠緑化、自然破壊と稀少動物の減少、黄土高原と砂漠化・黄砂の頻発、日本の毒ガス・細菌兵器と環境汚染、一人っ子政策と環境問題、灌漑用水・飲料水不足と黄河断流、大気汚染や酸性雨の激化、水質汚染と「ガン村」の多発─など、毛沢東の大躍進政策、文化大革命から鄧小平の改革・開放時代を経た現代まで、中国における環境問題と環境政策を追う。