書誌情報

環境教育とは何か─良質な環境を求めて

岩田好宏[著]
四六判並製/232頁/2000円
ISBN978-4-8461-1305-6 C0036

 環境教育が教育現場で誕生してから40年がたちます。しかし、未だに環境教育とは何かということが明確にされていないばかりか、逆に消滅の危機にさえあります。環境教育は、歴史的に自然保護教育や公害教育と同じように民意によって担われてきて、普通の教育として確立されていないのです。しかし、地球環境の危機が叫ばれている今こそ、環境教育が必要なのです。
 本書は、環境教育の歴史にふれ、人間にとって良質な環境とは何か、それを実現するためには何が必要かを今までの実践を通して、理論的に明らかにしています。(2013.2)


■内容構成
はじめに
 序章 環境教育の誕生まで
   小学理科における自然を愛する心の育成/成城小学校の「自然科」
   自然保護教育と自然観察/公害教育/環境教育の特徴
第一部 人間における自然と環境─「良質な環境」を求めて─
 一章 都市環境と農村環境─人間世界の特徴
  一 農村環境
   農村環境の誕生/自然としての農村環境/代替環境と里生物
   動的平衡系としての農村環境/生態系としての農村
   農村環境と環境の道具化/農村の危機/放置と「目こぼし」の意味
  二 都市環境
   都市とは/自然としての都市環境/都市の生態系
   道具の集積としての都市環境/道具の集積であることの問題点
   都市環境のなかに「目こぼし」を
 二章 人間における「主体─ 環境」関係
  一 生物における「主体─環境」関係
   タンポポ/動物のからだの生育段階と生態的地位
   生物における生活と多様性
  二 環境とは
   はじめに─ 問題を明らかにする/外界と環境
   ユクスキュルのUmgebungとUmweltをめぐって/外界と環境、再び
  三 人間における「主体─環境」関係の特徴
   人間の起原と生態的地位の確保/「群れから社会へ」とからだの変化
   人間特有の「主体─環境」関係
  四 環境と自然
   いくつかの主要な自然概念/自然科学の自然/環境と自然
  五 環境教育における環境
   公害など環境問題における環境/環境保全のための道具
   環境学・環境教育の環境とは
  六 環境保全と自然保護
  七 「人間にとって良質の環境とは」を考えるために─自己家畜化をめぐって─
   はじめに/小原の「自己家畜化」論/自己家畜化と代替環境
   家畜、環境の人工化/人間における環境の人工化/自然の多様さと複雑さの意味
   人間の限定された視野/原環境とは
 三章 野生世界と生物多様性
  一 わかりにくい「野生」概念
  二 「野生」という語の初め─『改正増補和英語林集成』
   「野生」概念にみられる矛盾/ Wild と野生とはちがう
  三 原生世界と野生世界
   原生世界/人間の影響のしかた
  四 生物多様性保全の方法が見えてきた
  五 野生世界保全の意義と生物多様性保全
   他者認識と他者意識/生物多様性保全と野生生物保全
第二部 環境教育の独自性を明らかにする
 四章 環境学習と自然学習
  一 日本自然保護協会の自然観察運動の検討から
   自然観察の具体的な目標/自然観察の方法
  二 理科と自然学習
   理科の誕生/戦後理科の始まり/戦後理科の大転換
  三 自然学習と自然科学学習─教育課程改革試案「自然」から考える
   「改革試案・自然」とは/自然学習と自然科学学習
  四 ベイリの「自然学習思想」と自然学習
   ベイリの自然と学習/ベイリにおける自然科学と子どもの学習
   共感のための指導方針/「共感する」と「知る」
   「ベイリ自然学習」と日本の理科
  五 自然学習指導とは
   自然学習を成り立たせる三つの要件/ものの自然性とその社会性
 五章 環境学習と農業学習
  一 農業学習と作物栽培学習とはちがう
  二 ある農業学習指導実践
  三 なぜ農業教育が必要か
   農業教育で何を教えるか
 六章 環境学習とEducation for Sustainable Development
  一 SD概念の複雑さ
  二 森田・川島の「持続可能な発展論」を参考にdevelopmentを考える
  三 鶴見和子の「内発的発展論の系譜」を参考にdevelopmentを考える
  四 リオ宣言から考える
  五 宮本憲一著『維持可能な社会に向かって』を参考に
  六 SDの教育的課題を考える指標
  七 sustainable をめぐって
  八 環境教育とESD・177
 七章 「地域に根ざす」実践
  一 鈴木生氣の茨城県久慈小学校における「地域に根ざす」授業計画・実践
   授業実践「うおをとる」にみられる地域性/授業「久慈の漁業」にみられる地域性
   授業計画案「久慈の下水」にみられる地域性/授業「川口港から外港へ」の地域性
  二 茨城県「長倉小学校実践」における地域性
   長倉小二〇〇二・二〇〇三実践とは
   四年生「長倉の昔通り」と五年生「長倉を変えてきた自動車」の実践
   六年生「戦争の中の長倉」/一年生「レッツトライ!ごぜんまつり」
   二年生「つくろう からむし&ひつじ」から
   三年生「三王山のゆずから見える世界」
   地域学習指導としての「長倉小二〇〇二・二〇〇三実践」を分析する
   鈴木正氣における「地域に根ざす」の発展
  三 山形県大井沢小中学校の実践
   はじめに/大井沢学校実践の概要/大井沢小中学校実践の特色
  四 環境保全教育と地域再生教育
  おわりに─環境教育と他の教育との関係
 終章 環境保全主体形成の助成・支援としての環境教育
   環境についての教育は二重構造/教育とは子どもの育ちを助成・支援すること
   環境教育とは
あとがき
注・引用文献

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