書誌情報

調査報道─公共するジャーナリズムをめざして

土田修[著]
四六判上製/224頁/2200円
ISBN978-4-8461-1306-3 C0007

 日本のマスメディアは、政府や官庁など「お役所」が発する情報には敏感だが、市民社会で起きていることや市民運動、大衆運動にはあまり関心がない。  本書は、欧米の調査報道、市民運動に連携する「パブリック・ジャーナリズム」を紹介しながら、記者クラブ制度に依拠し、お役所の広報紙と化した日本のマスメディア・ジャーナリズムの在り方を脱構築し、市民の視点に立った「公共するジャーナリズム」を提言する。(2013.03)


■内容構成
 はじめに 〜 市民活動の国際的広がりとジャーナリズムの役割 
  1 世界に広がる大衆市民運動と日本のマスコミ
  2 「3・11」後のマスコミ報道
  3 市民的課題を報道しないマスコミ
  4 米国調査報道の伝統
  5 本書の構成
第1部 調査報道をルポする
 第1章  「シティ・リミッツ」─「ウォール街占拠運動」
  1 ウォール街占拠運動
  2 ハイパーローカルメディア
  3 社会にインパクトを与えるジャーナリズム
  4 ローカルにこだわるメディア
  5 地域との対話を通し課題を発見
  6 貧困・格差是正を求める占拠運動
  7 フランスのNGO「ATTAC」が提唱した「トービン税」
  8 「怒れ!憤れ!」
  9 マスメディアに変革を求める市民運動の必要性
 第2章 ピュリツァー賞受賞「プロパブリカ」
  1 調査報道NPOの寵児
  2 ウォール・ストリート・ジャーナル紙
  3 二度のピュリツァー賞
  4 ハリケーン「カトリーナ」
  5 「生と死」の選択
  6 既存紙との協働
  7 ヘッジファンドの陰謀
  8 社会にインパクトを与える
 第3章 アメリカン大学の調査報道ワークショップ
  1 米国調査報道のゴッドファーザー
  2 学生による調査報道プロジェクト
  3 「アメリカンドリームの裏切り」
  4 原子力産業の調査報道
  5 NPOメディアの可能性
  6 「日光は最大の消毒薬である」
 第4章 調査報道の老舗「CPI」
  1 非営利モデルの調査報道
  2 世界最大の調査報道
  3 「iWatch News(アイウォッチ・ニュース)」
  4 クロマグロの乱獲問題
  5 財団からの資金提供とファイアウォール
  6 コンピューター・アシスティッド・リポーティング
第2部 調査報道を理解する
 第1章 調査報道の歴史と存在意義
  1 ジャーナリズムの信頼に応えた「官邸の一〇〇時間」
  2 市民参加の調査報道
  3 米国で重視される「フリープレスの原則」
  4 「ペンタゴン・ペーパーズ」報道
  5  国家最高機密文書を公開した三人の男
  6 「ウォーターゲート事件」報道
  7 「選挙スパイ及び妨害工作」と報道
  8 大統領を辞任に追い込んだジャーナリズム
  9 沖縄返還協定の密約報道
  10 「機密漏えい」問題への歪曲
  11 「政治的意図」が問われる最高裁判決
  12 民主主義を愚弄した佐藤内閣
 第2章 調査報道を実践するNPO
  1 NPOとメディアの協働
  2 米国メディア産業の衰退
  3 ジャーナリズムは公共財
  4 記者クラブと「発表報道」
  5 自主的・自発的な報道統制
  6 NPOメディアを支援する社会システム
  7 社会的影響力を強める調査報道NPO
 第3章 「公共するジャーナリズム」実践に向けて
  1 マスコミ記者のあり方に対する疑問
  2 マスコミが伝えなければニュースではないという「奢り」
  3 「小沢事件」を強制起訴
  4 マスコミへのリーク情報
  5 東電会見の問題点
  6 「共働e-news」創設をめざして
  7 パブリック・アクセスの重要性
  8 ジャーナリズムの公共性
 第4章 パブリック・ジャーナリズム
  1 ジャーナリズムの存在意義
  2 日々、現実の中で民主主義を創出
  3 政治、社会への市民参加を促進
  4 アジェンダを模索する新聞
  5 社会実験を始めたジャーナリストたち
  6 ジャーナリズムの「伝統」との決別
  7 新聞はコミュニティの構成員
  8 読者との関係を変えた「パブリック・ジャーナリズム」
  9 デモクラシーを機能させる役割
  10 市民とともに立つジャーナリズム
第3部 調査報道を実践する
 第1章 「被曝労働者は捨て駒」〜 報道写真家の樋口健二さん
  1 「市民の視点」に立った調査報道
  2 大本営発表を突き破る取材
  3 被曝労働者を撮ってやろう
  4 「なんて汚い社会なんだ」と涙
  5 「ロバート・キャパ展」で写真家を志望
  6 定期検査中の敦賀原発で内部を撮影
  7 「脱原発」に向けて行動を
 第2章 「市民こそが市長である」〜 ソウル市長の朴元淳さん
  1 市民活動家からソウル市長へ
  2 市民の声を政策に反映するための努力
  3 原発一基削減構想
  4 職員に向き合う市長
  5 市民の要求に応じて市長に
  6 民主主義を実現する「傾聴ツアー」
  7 柔らかなリーダーシップ
  8 橋本市長と朴市長
  9 「太陽政策」の再来
 第3章 「市民の視点」とジャーナリズム
  1 「市民の視点」に立ったジャーナリズム
  2 「公共する」は東アジア思想
  3 「公共するジャーナリズム」の羅針盤
  4 市民社会に貢献するジャーナリズム
 おわりに
 参考文献
 解題 日本人のマスメディア〈鵜呑み度〉と公共的なジャーナリズム   青山貞一

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