書誌情報

胎児と乳児の内部被ばく─国際放射線防護委員会のカラクリ

長山淳哉[著]
四六判上製/272頁/2400円
ISBN978-4-8461-1313-1 C0036

 チェルノブイリ原発事故のあと、1000キロ以上離れたヨーロッパの国々で、今、起きているガン発症率の上昇などから考えると、福島原発事故による健康被害は、すでにわが国全土に及んでいると考えざるをえません。
 放射線の人体影響は、国際放射線防護委員会(ICRP)と欧州放射線リスク委員会(ECRR)のリスク評価が知られていて、日本が採用している前者は後者の100倍から1000倍も甘いものです。しかもこれまでのところ、内部被ばくの影響は何も解明されておらず、我々が問題にすべきことは、内部被ばくによる影響です。
 本書は、放射線の生物や人間への影響について、とくに内部被ばくに焦点をあてつつ、最新の知見を紹介します。放射線をはじめ、有害物質への感受性が極めて高く、もっとも影響をうけるのは胎児と乳児、そして子どもです。これらのライフステージでの研究例を中心にして、放射線のリスクを解説します。(2013.06)


■内容構成
はじめに

第一章 内部被ばくと外部被ばくのちがい
 一 放射線の種類と透過性
 二 細胞分裂周期の時期による放射線への感受性のちがい
 三 放射線の生体への作用──最近わかったこと
  (1) 遺伝子不安定性
  (2) バイスタンダー効果
   @ 培養細胞系での研究
   【グリッドで被ばくしなかった細胞にも遺伝的影響が生じる】
   A マイクロビームによる新しい展開
   【細胞核への照射】
   【細胞質への照射】
   【培養ろ液でのバイスタンダー効果】
   B ハツカネズミでのバイスタンダー効果
 四 二相的線量応答
第二章 実効線量係数のカラクリ
 一 セシウム
  (1)  生物的半減期の個人差
  (2) ICRPの生物的半減期との比較
  (3) ICRPによる内部被ばく線量の計算手順
  (4) 胎児と乳児への移行とその個人差
  (5) ICRPによる胎児での被ばく
  (6) 新生児の汚染レベルと乳児の生物的半減期
  (7) 母乳への移行と乳児の摂取量
  (8) ICRPによる母乳からの被ばく
 二 ヨウ素
  (1) 胎児の甲状腺での取り込み
  (2) ICRPによる胎児での被ばく
  (3) 新生児から成人の甲状腺での取り込み
  (4) 実効線量係数のカラクリ
  (5) 母乳への移行と乳児の摂取量
  (6) 日本人での研究
  (7) ICRPによる母乳からの被ばく
 三 ストロンチウム
  (1) 胎児への移行
  (2) 胎盤での識別
  (3) 日本人での研究
  (4) ICRPによる胎児での被ばく
  (5) 母乳への移行
   @ オーストリアでの研究
   A カナダでの研究
  (6) ICRPによる母乳からの被ばく
第三章 低線量被ばくの健康影響に関する最新情報
 一 乳児白血病の発症──二相的線量応答の実例
 二 ベラルーシの子どもの心臓障害
 三 ベラルーシの子どものセシウム一三七による汚染
 四 ベラルーシでのガン罹患率の上昇
  (1) 一般住民
  (2) リクイデータ
 五 スウェーデンでのガン発症率の増加──トンデルの論文
  (1) 二〇〇四年の論文
  (2) 二〇〇六年の論文
 六 ヨーロッパの国々での甲状腺ガンの増加
 七 診断用低線量X線被ばくによる細胞核異常

参考図書および文献(掲載順)
おわりに

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