書誌情報

TPPの何が問題か

天笠啓祐[著]
四六判並製/192頁/1800円
ISBN978-4-8461-1406-0 C0036

 貿易自由化は、経済の国境の壁を「貿易障壁」という言葉で排除してきた。この壁が取り払われれば、すべての企業が同じ条件で競争することを強いられる。このことは、巨大多国籍企業が思いのまま世界を蹂躙できるようになることを意味する。
 米国を軸にしたTPP は、レベルの高い自由化を目指しており、原則的に例外は認められない。また、ISD(投資家国家紛争処理)条項で投資家の訴えを認めたり、「ラチェット条項」で後戻りを認めない規定も設定されると予想される。そうなれば、自給率が低い日本の農業は壊滅的な打撃を受け、遺伝子組み換え食品や感染症の危険のある牛肉などが我々の食卓を占拠することになる。いま必要なのは、世界の農民、市民と連帯して、このグローバリズムに立ち向かうことである。
(2014.6)


■内容構成
まえがき
 TPP参加は何をもたらすか?
第一章 相次ぐ食をめぐる事件発生とグローバリズム
 なぜ食品偽装事件は繰り返されるのか?/冷凍食品の悪夢ふたたび
 同様の事件は他分野でも起きる
第二章 TPPが脅かす食の安全
 米国産作物によって「甘味」が支配され、健康障害が拡大する
 すでに始まっている食品添加物の承認圧力
 農薬の残留規制緩和圧力も/米国の食料戦略と遺伝子組み換え作物
 食品表示制度への介入が強まる
第三章 食肉支配と動物感染症の拡大
 BSE(狂牛病)など動物感染症が拡大している
 米国産食肉の何が問題か/米国での食肉生産の問題点
 タイソン・フーズ社/コナグラ・フーズ社ほか
第四章 進む種子支配・食料支配
 緑の革命から遺伝子革命へ/米欧日で企業の権利強化
 手厚く守られる遺伝子組み換え企業/対抗する国連の条約に米国は加盟せず
 水支配
第五章 遺伝子組み換え作物で事件続出
 遺伝子組み換え作物の現状/アルゼンチンの悲劇/インドで自殺者急増
 児童労働が問題に/違法パパイヤが流通
 西豪州でのGMナタネ汚染で有機認証剥奪
 三重県で地元名産の菜花が自家採種できなくなる
 中国での子どもを用いた人体実験
 不可思議なGM小麦発見
第六章 経済成長戦略下のiPS細胞とSTAP細胞
 STAP細胞の波紋/体細胞クローン技術から始まったiPS
 細胞、STAP細胞の登場/TPPと経済成長戦略と生命操作
 暴走は止められるのか
第七章 TPPによる知的所有権強化の狙い
 米国経済は「知的経済」に/生命特許/知的所有権戦略始まる
 遺伝子特許/ジョン・ムーア事件
 遺伝子組み換え作物と特許侵害事件/相次いだ生命特許をめぐる見解
 治療や診断方法も特許に/TPP参加は何をもたらすか
第八章 福島第一原発事故の三年後と脱「脱原発」へ
 原発復活へ/三年目に何が起きているか/専門家は影響を否定
 汚染水に象徴される事故は続いている/除染と労働者・住民棄民政策
 事故の責任は問われず、推進に舵を切る
第九章 踏み込んではならない領域──核・バイテク・ナノテク─
 生命と相容れない核/世界が食べられなくなる日/遺伝子操作
 ナノテクノロジー
第十章 グリーン経済という虚構と我々が望む未来
 我々が望まない未来/バイオ燃料と代替エネルギーの問題点
 市場経済の論理としての排出量取り引き/地域循環型社会へ
おわりに
 カネと民主主義/注目される欧米自由貿易交渉の行方
 稲と野菜の支配へ/貧困の再生産

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