書誌情報

原発は終わった

筒井哲郎[著]
四六判並製/268頁/2400円
ISBN978-4-8461-1721-4 C0036

 2017年3月、東芝は子会社のウェスチングハウスの連邦破産法11条を申請し、全社的に原発事業からの撤退を決定した。このことは原発の世界的な市場からの敗退と発電産業の世代交代を意味し、福島原発事故の帰結でもある。

 本書はプラント技術者の視点から、原発産業を技術的・社会的側面から分析し、電力供給の一手段のために、甚大なリスクを冒して国土の半ばを不住の地にしかねない政策に固執する愚かさを明らかにする。(2017.11)


■内容構成
まえがき
第1章 発電産業の世代交代
 1 原子力ルネッサンスから東芝解体へ
 2 世界の原発産業の衰退
 3 再生可能エネルギーへの潮流
 4 ガラパゴスの原子力政策
第2章 平時の原子力開発は成り立たない
 1 基本設計を輸入し続けた原発業界
 2 日本の原子力開発の実例
 3 高速増殖炉〈常陽〉の再稼働
 4 マンハッタン計画に見る戦時原子力開発
 5 原子力プラントの本質
第3章 遺伝子を痛める産業
 1 逃げてはいけない被ばく労働者
 2 被ばく現場の労働疎外
 3 事故現場作業員の危険手当
 4 有期・不定形・自傷労働の契約形態
 5 「リクビダートル」が語るチェルノブイリの処遇
第4章 事故現場の後始末をどうするか
 1 汚染水対策と凍土壁
 2 「中長期ロードマップ」の現状
 3 一〇〇年以上隔離保管後の後始末
 4 廃炉のための「人材育成」はいらない
 5 ゾンビ企業延命の弊害
第5章 迷惑産業と地域社会
 1 迷惑産業の特異な性格
 2 償いはどうしたら可能か
 3 原発避難てんでんこ
 4 被災者の生活再建
 5 原発進出を断った町
第6章 定見のない原子力規制
 1 自然災害における「想定外」の繰り返し
 2 内部リスクの軽視
 3 過酷事故の人間側シーケンス
 4 武力攻撃・「テロ」対策と戦争の想定
 5 「白抜き」「黒塗り」で守るガラパゴス技術
第7章 悲劇などなかったかのように
 1 廃炉技術の意見募集
 2 〈コミュタン福島〉の空虚
 3 廃炉シンポジウムに見る現状肯定へのアピール
 4 飯舘村の「復興」
 5 被ばくと引き換えの町づくり
終章
 謝辞
 初出一覧

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