書誌情報

放射能を喰らって生きる―浜岡原発で働くことになって

川上武志[著]
四六判並製/252頁/2000円
ISBN978-4-8461-1807-5 C0036

 職場が浜岡原発と聞いたとき、真っ先に浮かんだのは被曝≠フ二文字だった。以前、原発で働いているときは、まさに被曝要員としての歴史だったからである。
 「放射能を喰らって生きている原発労働者なんて、虫けら以下の存在だ!」
 仲間の一人は、血走った目つきで声を震わせて叫び、我々を睨みつけるようにして会社から去っていった。そして再び僕は浜岡原発に向かった。(2018.5)


■内容構成
プロローグ
第一章 放射能を喰らって生きる者たち
 友人からの就職の誘い
 矛盾だらけの放射線安全教育
 偽装請負という形での就職
 いよいよ建屋内へ
 ゴミ課と呼ばれている作業現場
 五感では捉えられない放射線
 汚染していない廃棄物もドラム缶詰め
 忌まわしきアスベスト
 花粉のように舞う粉じん
第二章 ガン発症
 ぶきみな下腹の痛み
 あわてて浜松医大病院に駆け込む
 死神が消える
 労災の訴え
第三章 浜岡原発がこっぱ微塵になってもらっては困る
 独身寮にじゃぱゆきさんを連れ込んだアトックス社員
 タイに住む家族への送金
 フィリピン女性
 原発労働者の朝はギャンブルの話題ではじまる
 原発と共存する町
 チェック・ポイント
 駿河湾地震
 豚小屋よりも軟弱だった5号機
 浜岡原発がこっぱ微塵になってもらっては困る
 放射能に色をつけることができたなら
 元請け社員の理不尽な怒り
第四章 高放射線エリアという現代の地獄
 冥界への入口のような蒸気発生器
 特攻隊員の心境で飛び込む
 原発ぶらぶら病
 放射性廃棄物の入ったドラム缶の移送
 朝から一杯引っかけていたガードマン
第五章 原発労働者にはどうして「うつ病」患者が多いのか?
 情報通の下請け作業員
 放射能が体に巻きつく
 原発内で堂々と売られている覚せい剤
 仕分け場の拡張工事
 線量計を忘れて管理区域に入る
第六章 旧友との再会
 異様な集団
 大阪のドヤ街住い
 どこで働いているのか誰も教えてくれない
 高線量エリアは例外なく高温多湿
 汚染される海と空
 原発の墓場
第七章 雇用保険加入を頼んだら解雇される
 同僚の自殺
 雇用保険のない立場に不安を抱く
 突然の解雇
 悪魔のささやき
 浜岡原発に救急車を入れることに成功する
 屈辱的な面接
 会社への宣戦布告
 美粧工芸と取り交わした契約書
参考文献
あとがき

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