書誌情報
自分が東京か大阪の教員で国旗・国歌の「日の丸・君が代」の起立・斉唱を、処分をちらつかせて迫られたら、屈服してしまうかもしれない。世間から非難され罵倒され、さまざまな処分をうけても不起立・不斉唱を貫いた教職員たち。かれらはどのような思いで「日の丸・君が代」強制に対峙したのか。 |
■内容構成
まえがき〜「口パク」すればいいのだろうか
第一部 少国民たちの道徳
第一章 東の少国民「うんこするのも天皇のため」〜山中恒さんインタビュー
第二章 西の少国民「上があるから下ができる」〜黒田伊彦さんの語り
第三章 「君が代」の道徳 「生と性の賛歌」から天皇の讃美歌へ〜川口和也さんの研究
第二部 東京篇
第一章 東京の「狂妄派」〜教職員の牙を折りたい狂おしい欲望
第二章 東京の教師、子どもたちと「日の丸・君が代」強制
一 「君が代」は誇り高く歌いたい〜近藤光男さん(体育)の場合
二 「お前のこと、用いるから」〜岡田明さん(日本史/現代社会)の場合
三 音楽が息づく学校を〜竹内修さん(音楽)の場合
四 「自分の可能性をあきらめないで」〜大能清子さん(国語)の場合
五 子どもたちの「障がい」が消えた日〜渡辺厚子さん(特別支援学校)の場合
六 「俺は先生の生徒でよかった」〜加藤良雄さん(英語)の場合
七 表現を行動として生きる〜田中聡史さん(特別支援学校/美術・図工など)の場合
第三章 「生徒の心を聞く仕事」であるために
第三部 大阪編
第一章 大阪の「狂妄派」〜ビシッと「モノサシ一本」の快感
一 法的にも復活した「非国民」
二 「教育事件」としての森友問題
籠池泰典元理事長インタビュー〜「天皇国日本」というモノサシをつくる学校
第二章 大阪の教師、子どもたちと「日の丸・君が代」強制
一 「歴史が歴史をたしかめる」〜増田俊道さん(社会)の場合
二 「真の愛国者は自由を保障することで育つ」〜梅原聡さん(理科)の場合
三 「先生に何ができるの」への答えを探して〜井前弘幸さん(数学)の場合
四 「事実さえ教えられれば」〜松田幹雄さん(中学・理科)の場合
五 「背骨」は曲げられない〜志水博子さん(国語)の場合
性的少数者と思想的少数者〜南和行弁護士インタビュー
六 子どもたちを「無我の人」にするな〜奥野泰孝さん(美術)の場合
「陽気な地獄破り」を〜遠藤比呂通弁護士インタビュー
第三章 「自己を持つ」子どもたちを育てるために
あとがき〜ニッポンの良心
引用文献
資料 国旗国歌に係る懲戒処分等の状況(文部科学省調査)
「日の丸・君が代」強制問題関連年表