プルトニウムをどうするか

◉『世界』2022年4月号より

 エネルギー問題を根本的に解決する「夢の燃料」となるはずだったプルトニウムは、核拡散と核テロをもたらす悪夢へと変わった。その過程を、日・米・韓の専門家が各国の事例に触れながらまとめている。
 そもそもは、プルトニウムを用いた長崎用原爆を開発したマンハッタン計画の科学者たちが抱いた夢であった。その実現が米国で放棄された後も、日本は原発の使用済み燃料からプルトニウムを取り出す再処理政策を進め、核兵器6000発分近くに達するプルトニウムを保有するに至った。そして、原型炉と位置付けられた「もんじゅ」が失敗した後も、六ヶ所再処理工場の運転を断念しない。未来にわたる重荷となっているこの再処理政策を考える上で本書は必読だ。著者たちはすべての国による再処理の放棄を提言し、使用済み燃料を空冷式の乾式貯蔵で最終処分まで保管するという代案を説明する。科学的な記述も平易で読みやすい。