検証・ガス化溶融炉【増補版】―ダイオキシン対策の切札か

¥ 2,000 (税別)

書籍内容

津川敬[著]
四六判並製/248頁/2000円+税
ISBN4-8461-0412-5 C0036

世界がダイオキシン対策として、ごみ焼却施設の増設中止・縮小、ごみの減量・分別・リサイクルへと向かう中で、日本は大型ごみ焼却炉の大量建設、24時間連続焼却という政策を打ち出した。その切札としてにわかに脚光を浴びはじめたのが、ガス化溶融炉だ。今回、導入後のトラブル、事故の検証を通して、予想された問題点をより明らかにしている。今後のごみ問題を考える上で、必読書だ。その問題点を洗い、ごみ政策を問う。(2004.8)

■目次
序 章 厚生省のごみ処理広域化計画とガス化溶融炉
焼却と溶融の違い
自治体を揺るがす ”平成の御触れ”
過疎地からの悲鳴
火蓋を切ったガス化溶融炉戦争

第一部 主要メーカーの技術を検証する
第一章 トップランナーの威信――新日鉄
コークスベッド方式とは
最初の実験都市――岩手県釜石市
「ガス化溶融」という言葉
凄絶をきわめた作業現場―大阪府茨木市
ダイオキシン分解の条件
破竹の営業展開
【資料】福岡県「三和町の自然を守る住民の連合会」作成のイラストに対する新日鉄の見解

第二章 ”二番手企業” 市場戦略――NKK
”連続” メリット
棚吊りとその防止策
デメリットをメリットに
キレイごとでは済まない

第三章 技術評価書第一号の重み――三井造船
二段構えの構造
技術評価第一号
突如の市長決断
シーメンスとは違う?
全国注視のプラント始動
先進的な協定書

第四章 わが社こそ主流――荏原製作所
文字どおりの ”スターダスト” 爆発の懸念はない?
空気比が少ない理由
実証中のいくつかのトラブル
産廃で新技術挫折?
エコ・インダストリアルパーク

第五章 ごみからガスをつくる――川鉄サーモセレクト
いきなり実証炉
ガスを改質する
四つのプロセス
水、純酸素、ガス改質
サーモセレクトはベンツ?
業務提携のメリット
”出す” の論理
変わる業界事情

第六章 十七年目の再挑戦――月島機械
手間ひまかかった新技術
船橋市からの発注
プロジェクトの挫折
羹に懲りて?
エコロックの追求

第二部 ごみ処理広域化・大型化に揺れる郷土と住民
第一章 港湾と鉄の町で――北海道室蘭市
幻の三市共同体制
突然の候補地決定
コロコロ変わる行政の姿勢
入り乱れる企業の思惑
地元を引き裂く
反対票が上回った住民投票
切り崩しと締め付け

第二章 厚生省が仕掛けた? 広域化計画――大阪府能勢町
廃炉決定まで
面目丸潰れの大阪府
あとでつけた理屈
過疎地の ”利用法” 運動も ”広域化”
市民感情を逆撫でした市長
事態は混迷

第三章 産炭地の疲弊と溶融炉建設――福岡県田川市
”石炭” 潤う
厚生省の意向に合わせた?
筑豊の再生を模索

第四章 「PFI事業」がもたらす混迷――千葉県君津市・福岡県大牟田市
ギリギリの抵抗
シナリオどおりの展開
儲けず損せず
ごみは減らせない
環境ビジネススタート
ごみ減量と逆行

終 章 何が問題なのか
技術をめぐる二つの矛盾
ガス溶融炉は「税金浪費型技術」
ガス化溶融炉は本当に安全か
ダイオキシン対策にならないガス化溶融炉

用語解説
ガス化溶融炉問題の現在
現実のものとなったガス化溶融炉事故
ダイオキシン特需後のプラント業界事情
都市ごみ焼却炉に産廃を受け入れるのか
もうひとつの手口――エコタウン
スーパーエコタウンの欺瞞性

増補版へのあとがき

納品について

版種類

印刷製本版, 電子書籍版

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