書籍内容
本庄重男[著]
 四六判上製/192頁/1900円+税
 ISBN4-8461-0416-8 C0036
SARSなどで明らかになったように、危険な病原体や遺伝子組み換え微生物が、実験室などから市民生活の場や環境に漏れ出て、人々の健康や環境に重大な悪影響や被害を及ぼし始めている。産業や医療分野のバイオテクノロジーの利用状況は、「暴走」といっていいほどで、何の法律的な規制がないままに、住宅密集地で実験が行なわれていて、危険きわまりない。
 本書は、もはやSFではなくなったバイオハザードについて、その定義から現状分析、そして 予防原則に基づいた対策までを、著者の経験を踏まえて、わかりやすく論じている。(2004.9)
■目次
 まえがき
序 章 バイオハザード事始め
 1 ポリオの大流行
 2 サル類とバイオハザード
 3 私も経験した実験室感染事故
 4 バイオテクノロジーの発展とバイオハザード
第1章 バイオハザードとは何か
 1 過去のバイオハザード概念
 2 バイオハザード概念の変遷
 3 今日発生し得るバイオハザードの様相
 4 バイオハザードで認められる特性
 5 バイオハザードと紛らわしい概念
第2章 バイオテクノロジーとバイオハザード
 1 バイオテクノロジーの本質
 2 今日のバイオテクノロジーと従来の生物技術との違い
 3 裸のDNA(分子)は生物活性を示す
 4 自然界におけるDNAの存続
 5 遺伝子DNAの水平伝達
 6 遺伝子水平伝達の人為的促進
 7 バイオテクノロジー批判の視点
第3章 バイオハザードの具体例
 1 旧ソ連スヴェルドロフスク市での炭疽菌によるバイオハザード
 2 健康食品トリプトファンに関わる事件
 3 遺伝子組み換えウイルスにおける予想外の危険発生
 4 SARSウイルスの突発出現
 5 米軍生物兵器研究センターにおける炭疽菌漏出事件
第4章 わが国におけるバイオハザード対策の問題点
 1 基本的に欠けていること
 2 病原微生物実験施設で採られている方策
 3 バイオハザード予防のために始められた予研=感染研裁判
 4 動物が関わるバイオハザードへの対策
 5 バイオテクノロジー製品の安全性検討の必要性
第5章 今後のバイオハザード予防のあり方
 1 バイオハザード予防・制圧対策の技術的基礎
 2 予防対策立法の実現へ向かって
 3 市民参加の必要性
 4 研究者への協力要請と批判
 5 市民的監視体制の確立
 6 SARS問題とバイオハザード予防の視点
参考文献
 資料1 病原体等実験施設規制法の試案
 資料2 住民協定書の実例
あとがき






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