書籍内容
川名英之[著]
四六判上製/528頁/3500円+税
ISBN978-4-8461-0911-0 C0336
米国の環境問題で最も大きいのは、核問題と戦争に伴う放射性物質などの有害物質だ。冷戦下での核開発競争で生じた汚染、ベトナム戦争における枯葉剤散布など、米国国内にとどまらない環境への負荷は計り知れない。また、世界最大の工業力と豊富な資源を持つ米国は、さまざまな都市公害と自然破壊を引き起こしてきた。大規模な機械化農業は農薬散布による「沈黙の春」を生み出した。
こうした環境問題にレイチェル・カーソンをはじめ多くの市民が立ち上がった。歴代政権の環境政策は、その背後にある軍産複合体、産業界と市民との緊張関係に影響されてきた。ブッシュの時代は、イラク戦争があり、京都議定書からの離脱があった。世界が温暖化防止に動く中で、最大のエネルギー消費国の動向は強い影響を及ぼす。オバマ政権の舵取りはまだ、始まったばかりだ。(2009.10)
■目次
第1章 国土の拡大・開発と自然環境
第2章 政治の歩みと環境問題
第3章 核開発政策と核実験被爆
第4章 草創期の環境行政と大気汚染対策
第5章 地球温暖化問題への対応
第6章 有毒・有害化学物質による環境汚染
第7章 ベトナム戦争と枯葉剤被害
第8章 環境保護運動と原発問題
終章 岐路に立つ米国の環境・核政策
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