書籍内容
天笠啓祐[著]
A5判変並製/192頁/1800円+税
ISBN978-4-8461-1616-3 C0336
バイオテクノロジーの応用が進み、自然界にはなかったものが作られ、生態系への影響や食の安全性が脅かされている。最近の研究では、遺伝子組み換え食品が免疫機能を低下させ、肝臓や腎臓などを損傷し、次世代以降にも悪影響があることが確認されている。
モンサント社を筆頭とする多国籍企業は、圧倒的な支配力を基に遺伝子組み換え種子の世界的拡大をもくろんでいるが、新たな害虫の発生や耐性雑草の発生、汚染など多くの問題をひき起こしている。また、インドでは、遺伝子組み換え綿の生産農民が収穫減から大量の自殺者をだすなど、大きな社会問題も引き起こしている。 TPPは、これらの進行するグローバル化の象徴であり、これへの参加は、コメを軸に守ってきた日本の農業の保護政策も「貿易障壁」の対象になり、壊滅的打撃を受けることが予想される。それにより、食の自給も奪われ、遺伝子組み換え作物など危ない輸入食品に食卓を占拠されるおそれがある。
本増補改訂版は、遺伝子組み換え食品をめぐるさまざまな問題をやさしく解説し、その危険性を明らかにするとともにTPP交渉を踏まえ最新の問題点を加筆した。 (2016.8)
■目次
Ⅰ 遺伝子組み換え食品の基礎
Q1 遺伝子って何ですか?
Q2 バイオテクノロジーとは何ですか?
Q3 遺伝子組み換えって何ですか?
Q4 遺伝子組み換えってどのように行うのですか?
Q5 遺伝子組み換え食品って何ですか?
Q6 どのような遺伝子組み換え作物が開発されているのですか?
Q7 世界では、どの国で、どのくらい栽培されているのですか?
Q8 どのような企業が開発しているのですか?
Q9 どのような性質の遺伝子組み換え作物が作られているのですか?
Q10 環境への影響では、どんな問題が明らかになったのですか?
Ⅱ 遺伝子組み換え種子・添加物・動物
Q11 日本でも遺伝子組み換え種子による汚染が広がっているって本当ですか?
Q12 遺伝子組み換え汚染が、農家などに経済的損失をもたらしている?
Q13 遺伝子組み換え食品添加物もあるのですか?
Q14 遺伝子組み換え食品・添加物でも規制の対象外がある?
Q15 遺伝子組み換え動物食品もあるのですか?
Q16 遺伝子組み換え蚊まで開発されているという話ですが?
Q17 米国で話題になっている巨大鮭って何ですか?
Q18 青いカーネーションやバラが開発されていますが、問題ないのですか?
Q19 クローンと遺伝子組み換えは違うのですか?
Q20 クローン家畜って今どうなっているのですか?
Ⅲ 遺伝子組み換え食品の安全性
Q21 遺伝子組み換え作物に用いられる除草剤は安全ですか?
Q22 遺伝子組み換え食品は安全ですか?
Q23 映画にもなったカーン大学の動物実験って、どんなものですか?
Q24 世界銀行の報告書が遺伝子組み換え作物を見限った!?
Q25 日本では食の安全に関して、どのように規制が行われているのですか?
Q26 日本では環境への影響を食い止めるための規制が行われているのですか?
Q27 国際条約などでの規制はないのでしょうか?
Q28 自治体でも独自の規制ができるのでしょうか?
Q29 私たちは遺伝子組み換え食品を避けることができるでしょうか?
Q30 表示はどうなっているのですか?
Ⅳ TPPと遺伝子組み換え食品
Q31 TPPとはどんなものですか?
Q32 TPPで食の安全は守られるのでしょうか?
Q33 TPPで遺伝子組み換え食品は増えるのでしょうか?
Q34 TPPで遺伝子組み換え食品の表示はどうなるのでしょうか?
Q35 ゲノム編集とはどんなもので、どんな危険性がありますか?
コラム① 遺伝子の語源
コラム② 遺伝子組み換え作物が新種の微生物を作り出した
コラム③ インドで自殺者が増えている
コラム④ ES細胞とiPS細胞
コラム⑤ 遺伝子組み換え食品の危険性を示した米国環境医学会報告
資料
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