再生可能エネルギーの問題点

¥ 1,800 (税別)

書籍内容

加藤やすこ[著]
四六判並製/188頁/1800円+税
ISBN978-4-8461-2207-2 C0036

太陽光発電・風力発電・バイオマス発電など再生可能エネルギーは、脱原発・脱炭素社会実現の切り札になっていて、導入が促進されています。しかし、ただやみくもに推進すると、低周波公害、電磁場被曝などの健康被害だけでなく、住民が守ってきた自然や景観が破壊されてしまいます。情報公開を積極的に行い、地域住民が意志決定に参加できる仕組みが必要です。
本書は、再生可能エネルギーの問題点と課題を考えます。(2022.5)

■内容構成
第1章 気候変動と再生可能エネルギーの問題点
各地で起きる異常気象
二〇五〇年までに二酸化炭素排出をゼロに
政府が目指す脱炭素社会
脱炭素社会とは
第2章 風力発電所から発生する音と電磁波の影響とは
1 IEAは風車を年一八%増加
増加する洋上風力発電
2 破壊される自然環境
北海道遺産指定地域にも風車を建設
住民や野生生物にも悪影響の懸念
地形レッドデータブックに記載された海岸にも風車群
3 野生生物への影響
バードストライクによる被害
昆虫も風車で大量死
4 風車から発生する音と影響
風車から発生する音
低周波音について消費者庁が勧告
風車に関する日本の指針は適切か?
風車の大型化・大規模設置の影響
5 各地で起きている健康被害
広い範囲で風力発電による健康影響のおそれ
日本海沿岸に大規模洋上風車を設置
風車周辺で体調不良が発生
地域住民四〇人が公害審査請求を申請
破壊される歴史・文化的遺産
小型風車でも健康被害が
6 海外で行われた疫学調査
風車周辺の住民は健康指標のスコアが低い
風車の低周波音は地形も影響?
デンマークの大規模な疫学調査
ドイツ環境庁が超低周波音の影響を研究
フィンランド厚生省が風車の超低周波音の影響を調査
送電線から発生する磁場の影響
7 洋上風力発電の問題点とは
風力発電所の健康・環境影響と合意形成
日本で洋上風車が沿岸に集中する理由
ケーブルから発生する磁場の影響
洋上風車と海洋生物への影響
8 風車の稼働時間が少ない理由とトラブル
実際に発電できるのは一年の三〇%以下
落雷による損傷事故
台風による破損・倒壊
補修が遅れてブレードが飛散
風車の火災事故
火災事故は年間一一七件という推計も
風車には燃えやすい条件が揃っている
第3章 太陽光発電とバイオマス発電の問題点
1 太陽光発電の問題点
太陽光発電のしくみ
電磁波の影響
太陽光発電の火災事故
火災の原因と対策
消火活動への影響
2 各地で起きた反対運動
太陽光発電所に周辺住民が反対
問われる行政の責任
太陽光発電設置で大規模な森林伐採
3 農地と森林の開発
農地を太陽光発電所に転用
再エネ買取制度と国民の負担の増加
欧州ではFIT制度を廃止
日本でも始まるFIP制度
エネルギーの貧困
原発への依存を六%から二二%へ増加
4 木質バイオマスと森林伐採
バイオマス発電と高額な買取価格
ヤシ殻発電と森林破壊
「カーボンニュートラル」の見直し
アマゾンの違法伐採と環境汚染
第4章 デジタル機器の増加と電磁波被曝
1 インターネット利用と温室効果ガスの増加
IT機器と温室効果ガスの増加
「データの津波」が起きる
利用方法を変えれば二酸化炭素を削減できる
ICT電力使用は毎年九%増加
2 枯渇する金属資源と環境・健康への影響
金属の消費とリサイクルの限界
鉱物資源と人権侵害
金属の採掘・リサイクルと環境汚染
電子ごみの増加
電子ごみから発生する有害物質
低中所得国で起きる健康被害
3 無線通信とサイバー攻撃
通信用小型衛星を大量に消費する計画も
次世代スマートメーター
スマートメーターで健康被害発生
サイバー攻撃への脆弱性
ワイヤレス給電が二〇二五年に始まる予定
ワイヤレス給電のしくみ
IoT機器への給電が目的
ワイヤレス給電で検討される周波数
宇宙空間でも利用されるマイクロ波伝送
電気自動車・ハイブリッド車へ転換
電気自動車・ハイブリッド車から発生する電磁波
電気自動車・ハイブリッド車の電磁場測定
ディーゼル車、ガソリン車よりも磁場が強い
健康影響を懸念する研究者の声
車内の電磁波対策
欧州市民が政策「ストップ5G」を提案
登録された法案とは
第5章 環境アセスメントは機能しているか?
住民の声を反映しない環境影響評価
環境アセスメントの流れ
風力を推進するため環境アセスを見直し
住民の声を反映する仕組みを
条例とゾーニングによる規制
環境アセスメントのデータベース
マスコミ排除の説明会
知事意見も反映されず
住宅からどれだけ離すべきか?
住民を守るための規制と議論を
海洋生物はアセスメントの対象外
送電線のルートを変更
少数民族を守るためスイス企業を提訴
バランスの取れた発電所の導入を
初出一覧

納品について

版種類

印刷製本版, 電子書籍版

著者紹介

著者紹介加藤やすこ(かとう やすこ)
1966年北海道生まれ。環境ジャーナリスト。化学物質過敏症、電磁波過敏症発症後は、これらの環境病をテーマに執筆。訳書にザミール・P・シャリタ博士著『電磁波汚染と健康』、著書に『電磁波による健康被害』、『電磁波過敏症を治すには』、『シックスクール問題と対策』、『危ないオール電化住宅(増補改訂版)』、『ユビキタス社会と電磁波』(いずれも緑風出版)、『電磁波から家族を守る』(企業組合建築ジャーナル)。共著に『新電磁波・化学物質過敏症対策 ─克服するためのアドバイス』(緑風出版)、『本当に怖い電磁波の話 身を守るにはどうする?』(金曜日)など。電磁波過敏症の研究の第一人者、オーレ・ヨハンソン博士(カロリンスカ研究所、スウェーデン)との共著論文も発表。

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