書籍内容
国際環境NGO FoE-Japan[編]
A5判並製/216頁/2800円+税
ISBN4-8461-0205-X C0031
途上国を支援するODAなどによる開発プロジェクトが、さまざまなかたちで深刻な環境問題、社会問題を、現地で引き起こしている。本書で取り上げている、鈴木宗男スキャンダルで有名になった、ケニアのソンドゥ・ミリウ水力発電事業もそのひとつだ。非政府組織(NGO)として、政府系金融機関の国際協力銀行(JBIC)が融資する開発プロジェクトが及ぼす環境・社会問題に取り組んできた若い研究者達が、個別プロジェクトの調査、分析を踏まえ、こうした問題の再発防止と改善のための環境ガイドラインを提言した書。(2002.4)
■目次
第1章 なぜ環境ガイドラインの強化が必要なのか
1.日本の開発支援は変わったのか?
2.国際協力銀行とその活動
3.新環境ガイドラインには何が必要か
第2章 誰のための水資源開発?
―インドネシア・ルヌン水力発電所及び関連送電線建設計画
1.プロジェクトの概要・背景
2.主な問題点
3.JBICの手続き・ガイドライン内容・ 実施体制等の面からの問題点の分析
4.まとめ
第3章 「環境保全型」投融資事業の問題点 ―インドネシア・ムシ・パルプ事業
1.事業の概要
2.環境保全型(?)開発
3.ムシ・パルプ事業の問題点
4.OECFの環境配慮に関わる問題
5.まとめ
第4章 暴力の影がつきまとう重債務最貧国のダム事業
―ケニア・ソンドゥ・ミリウ水力発電事業
1.プロジェクトの概要・背景
2.事業が抱える主な問題点
3.事業における社会環境配慮
4.国際協力銀行の社会環境配慮における今後の課題
第5章 土地喪失を懸念する先住民族
―フィリピン・サンロケ多目的ダムプロジェクト
1.プロジェクトの概要と経過
2.プロジェクトに関わる問題点
3.国際協力銀行の環境配慮
4.結論
第6章 環境改善プロジェクトが脅かす漁村の暮らし
―タイ・サムット・プラカン汚水処理プロジェクト
1.本章の目的
2.プロジェクトの概要
3.経過
4.プロジェクトの問題点
5.JBIC環境ガイドラインへの提言
第7章 環境ガイドライン策定に向けたプロセス
1.ECA環境ガイドライン強化に関する国際的な動き
2.国内でのNGOの取り組み
3.ガイドライン策定におけるNGO参加の教訓と課題
第8章 開発金融機関の環境配慮はどうあるべきか
1.環境と開発に関する国際機関等の政策
2.環境・社会配慮の基本的原則
3.案件準備過程における環境社会配慮の要求
4.環境審査
5.モニタリング・フォローアップ
6.ガイドラインの効果的な運用と遵守確保
7.今後の課題
資料
国際協力銀行の統合環境ガイドラインに係る研究会提言
国際協力銀行の環境ガイドライン統合に関する研究会設置要綱
おわりに
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