書籍内容
井田均[著]
四六判並製/212頁/1800円+税
ISBN4-8461-0502-4 C0036
危険をともなう原発や問題の多い石油に替わるエコ・エネルギーが脚光をあびている。地球温暖化や利権をめぐる争い等を考えれば、早晩エコ・エネルギーを考えざるをえない。風力発電や太陽光発電がデンマーク、ドイツ、スペイン等の欧州を中心に拡大し、また、中国奥地や、アフリカ等に展開している。 本書は、現地を訪ね歩き、その現状と各国の取組みを紹介し、問題点と展望を明らかにしている。(2005.2)
■目次
はじめに
急拡大する世界のエコ・エネルギー
鈍化する日本のエコ・エネルギー
慰めは国民の意欲
第一部 日本の現状
第1章 日本の風力発電
初期の発電風車/電事連が買い取り制度/買い取り制度改善
ドイツ、脱原発へ風力拡大/電力会社が風力発電、世界二位 のスペイン
海上に出る欧州の風力発電/学ぶべきはドイツとスペイン
牛山会長は二〇一〇年に五〇〇万kW/清水教授は二〇二〇年に三〇〇〇万kW
公共事業の見直しで財源を/海上浮体風車に期待する牛山氏
海上浮体で二〇五〇年には一億kW超/二〇五〇年一億kWは電力の半分近くを供給
求められるわが国政府の決断
第2章 エコ・エネルギー拡大へ入札制度・RPS法をこう改定
入札制度の二面性/RPS法の問題点/本来の目的は
東電は義務量の八五%をゴミ発電で/東電は「言えない」
買い取り価格は環境負荷を計算に入れろ/国が今後取るべき道
需要抑制に炭素税の活用も
第3章 入札制度・RPS法が無かったなら
一転、減少する風車建設ペース/九州電力も影響大きく/他の電力会社も入札
二〇〇三年度に国の二〇一〇年目標達成
第4章 日本初の洋上風車建設作業見学記――北海道瀬棚町に見る
風車は防波堤の手前/かなり高めの工事費/川崎重工は資金に関して無言
舟で海上風車を近くから見る/翌日は二号機の建設を見る
三枚羽根は早朝に
第5章 酒田海上風力発電所は日本の海上風車の一号か
酒田に飛ぶ/住商を訪問/電話で取材
第二部 世界の実情
第6章 スペインの風力発電が急拡大した理由
ビセドーを見る/地元にもメリット/パシャレイラスを見る
建設中のパシャレイラス二bを見る/管理事務所で性能を聞く
ガリシア州工業局を訪問/ガリシア風力協会訪問/ガリシアエネルギー協会訪問
ソダベントはメーカーのショールーム/マドリッドのIDAEへ
第7章 ドイツに風力発電が急拡大した理由
風が強くないドイツ/「弱風地域ほど高価買い入れ」の論文
ピーター・アメルス氏が各地を案内/循環エネルギー促進法
リパワー社を訪問・見学/風力エネルギー促進協会訪問
九ユーロセントは電気料金の五四%/脱原発も狙うドイツ
ベスタスのウインドファームを見学
新法で風の弱い南ドイツからの発注増え、全体では二割増
アンドレス・バグネル氏には会えず/その後は海上に照準
数年内に原発分の風力確保するドイツ
第8章 世界最大の一三四〇kWの太陽光をアメルスフォートに見る
太陽光探しには苦労/ニュータウンに太陽光/曖昧な担当者
パネルメーカーのコンサルに話を聞く/翌日に再訪/広告にも利用される
第9章 インドネシアへ太陽光発電施設贈る日本のNGO
カンパンベル村へ/前年の三月に設置/農民の家に太陽光を設置
「太陽光は使い勝手が悪い」/毎月五千ルピーを徴収
桜井氏がインドネシアに太陽光を設置した理由/その前は東チモール
桜井氏がセットした太陽光施設を見る/「オーストラリア製はダメ」
第10章 アフリカで太陽光電化を見る
モロッコのCDER訪問/電化作業を取材/マル島へ出発
アダマ氏に聞く島の太陽光電化事情
第11章 中国・内蒙古自治区再訪記――小型風車一五万余基地域を行く
太陽光も近年は充実、併用も/小型風車と太陽光利用の牧民訪問
発電能力拡大の朱日和風力/内蒙古自治区の担当者に聞く
雨中の輝藤錫勒発電所訪問/劉先生に聞く内蒙古自然エネルギー事情
自然能源研究所を訪問/風車製造工場を再訪
まとめ―主役に育つエコ・エネルギー
世界の過疎地でも活躍/世界電力の一二%を風力で賄うプランも
世界の流れに背を向ける日本
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