世界食料戦争〔増補改訂版〕

¥ 1,900 (税別)

書籍内容

天笠啓祐[著]
四六判上製/240頁/1900円+税
ISBN978-4-8461-0808-3 C0040

世界中で食糧価格が高騰している。その煽りを受けて、多くの国で主食が高騰、パニックが起き、各地でデモや暴動がおきている。なぜ、このような事態に陥ったのか? 現在の価格高騰の根底には、グローバリゼーションがあり、巨大なアグリビジネスと投機マネーの動きがある。遺伝子組み換え作物、バイオ燃料もまた、これと無関係ではない。
本書は、旧版を大幅に増補改訂し、最近の情勢もふまえ、そのメカニズムをやさしく解説し、それに対抗する市民の運動を紹介している。(2008.6)

■目次
序 章 つくられる食料危機
各地で食料暴動起きる/穀物価格高騰の原因は?
競争激化と安値合戦が引き起こしたものとは?
広がる遺伝子組み換え作物と強まる反対運動

第1章 激変する世界の食料事情
米国政府とモンサント社/穀物の流れに大きな変化/コメ市場にも変化が
南米で拡大する矛盾/なぜ大豆なのか?/世界中に広がる遺伝子組み換え作物拒否

第2章 モンサント社の戦略と謀略
EU提訴とブッシュ発言/ダイオキシンのデータ細工事件/牛成長ホルモン剤事件
ジャーナリズムへの脅し/メキシコの遺伝子汚染事件/モンサント社、一時は経営危機に
シンジェンタ社がモンサント社の独占を脅かす?

第3章 シュマイザー事件と種子支配の構造
突然やってきた脅迫状/特許は農民の権利よりも優先する/農家のすべてが奪われる
切り裂かれた地域の絆/農家に舞い込む脅迫状/ラウンドアップ・スプレー爆弾
最高裁で判決出る

第4章 遺伝子組み換え作物が変えた世界の食料
遺伝子組み換え作物、世界の現状/世界の大豆の種子の五五%がモンサント社の種子
第二世代、第三世代に移行か?/遺伝子組み換え食品・日本の現状
深刻化する生態系への影響/人間への影響でいくつかの報告が/英国で農地実験の報告
スターリンク事件の余波/拡大する遺伝子汚染

第5章 遺伝子組み換えイネをめぐる攻防
モンサント社のイネ、開発断念/なぜ愛知なのか?/岩手県が開発したイネも中止に
島根県のメロンも中止に/増えた栽培試験、相次ぐ試験中止
本末転倒の花粉症緩和米の思想/アジアにゴールデン・ライス登場

第6章 北米での遺伝子組み換え小麦の攻防
北米へ/カナダでの長い一日/パーシー・シュマイザーの呼びかけに応えて
小麦をめぐる状況/日本は三カ国に限定して輸入/カナダ農務農産食品省との交渉
パン一枚運動/ミネアポリスにて/春小麦を世界一の小麦にしたもの
IATP(農業・貿易政策研究所)へ/ノースダコタ州政府は栽培を前提に議論
遺伝子組み換え小麦の行方/カナダの対応は?/米国の対応は?
モンサント社が遺伝子組み換え小麦開発延期

第7章 欧州・米国間食料戦争
食の安全が欧米間の対立激化をもたらす
rBST(牛成長ホルモン)問題がもたらしたもの
BSE(牛海綿状脳症)ショック起きる/遺伝子組み換え食品の表示制度を抜本的に改正
BSEとGMOが欧州の行政を揺さぶる/揺さぶられる共通農業政策
イタリアの食品安全事情/トレーサビリティの実践
米国のWTO提訴とEUの新表示規則成立/EUが遺伝子組み換え栽培指針をつくる
欧州の新しい状況/揺れる英国

第8章 グローバリゼーションが脅かす食の安全
生産効率至上主義の破綻/BSE拡大止まらず/鳥インフルエンザ騒動と病める畜産
輸入作物の農薬汚染/食品添加物の見直しも進む/WTOとは何か?
コーデックス委員会とは?/遺伝子組み換え食品の安全審査基準をめぐる論争

第9章 広がるGMOフリーゾーン、食料援助拒否
遺伝子組み換え大豆強制刈り取り事件/遺伝子汚染で農業ができなくなる
日本中に広がる遺伝子組み換え作物栽培規制の流れ/世界で拡大するGMOフリーゾーン
アフリカ諸国の食料援助拒否の波紋/ザンビア政府、食料援助拒否を貫く
米国の売り込み攻勢/アフリカでの米国・欧州食料戦争
日本でもGMOフリーゾーン運動始まる/食料主権へ

終 章 マニラにて
アジア市民コメ行動週間始まる/緑の革命と第二の緑の革命

あとがき

納品について

版種類

印刷製本版, 電子書籍版

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