書籍内容
藤田一良[著]
四六判上製/336頁/3200円+税
ISBN978-4-8461-1416-9 C0036
日本で最初の原発訴訟となった伊方原発1号炉設置許可取消訴訟は、日本の反原発科学技術者を総動員して闘われた。科学裁判ともいわれた伊方原発訴訟は、その後の反原発裁判の文字通り先駆、模範となった。その訴訟の弁護団長として20年にわたって闘った弁護士・藤田一良は、狭山差別裁判や「フォークリポートわいせつ事件」裁判など、市民と人権のために闘い抜いた。 本書はその人権弁護士・藤田一良の法廷での闘いの軌跡を追う。
(2014.10)
■内容構成
第一部 伊方原発裁判
「伊方原発裁判」が遺したもの
一 はじめに
二 土地裁判
三 行政訴訟まで
四 一号炉設置許可処分取消請求行政訴訟と原発の危険性
五 行政訴訟の内容
六 一審の実態と審理の経過
七 控訴審の審理と判決
八 最高裁判決までの経過と判決批判
九 おわりに
原発の危険性(昭和六〇年六月二八日 伊方原発行政訴訟弁護団)
─伊方発電所原子炉設置許可処分取消請求上告事件上告理由書より─
一 はじめに
二 原子力発電のしくみ
三 原発の危険性の根源
四 プルトニウムの恐怖
五 平常運転時に放出される放射能の恐ろしさ
六 伊方原子力発電所の技術的欠陥とその危険性
七 おわりに
上告理由補充書
─伊方発電所原子炉設置許可処分取消請求上告事件─
一 はじめに
二 事故発生
三 事故による被害
四 ソ連の原発技術水準とチェルノブイリ原子炉の構造等に関する宣伝の欺瞞性
五 チェルノブイリ原発事故によって、本件原子炉許可処分の違法、原判決が破棄されるべきものであることがさらに明らかになった
六 おわりに
伊方原発訴訟と藤田さん(小出裕章)
第二部 三つの人権裁判
意見陳述 1 「フォークリポートわいせつ事件」裁判記録より
意見陳述 2 「フォークリポートわいせつ事件」裁判記録より
フォークリポートわいせつ裁判─裁判に可能性と希望を(中尾ハジメ)
三鬼の裁判─謝罪広告等請求事件準備書面より
一 三鬼と「新興俳句弾圧事件」
二 「密告」の三鬼スパイ説は被告小堺の捏造である
三 三鬼のひととなりと俳壇の評価
四 原告らの損害と被告両名の違法行為と責任
五 死者の名誉侵害をめぐる法理についての若干の考察
六 結論
「三鬼裁判」を支えたもの(音谷健郎)
狭山事件判決の全体像
─これでも石川一雄は有罪か─
一 はじめに
二 動機の非現実性について
三 判決が認定した「罪となるべき事実」の事実誤認
四 自白どおりであれば、到底実行不可能な本件誘拐事件
五 請求人の自白と死体埋没現場の状況との不一致は、請求人が犯人でないことの明白な証拠である
六 スコップ付着土壌について
七 「被害者の死亡時期」に関する原決定の誤りについて
八 おわりに、予断と独善の確定判決
「狭山事件判決の全体像」について(笠松明広)
第三部 折々の発言
御堂筋のジョン・ケージ
青木先生が居られた日々
またひとり、小島先生が
和島先生への追悼曲
真に人間的だった瀬尾さん
光徳寺の蝉しぐれ
堂島と南森町のオリヴィエ・メシアン
プーランクとラヴェル
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