書籍内容
マリー=フランス・イリゴエン[著]小沢君江[訳]
四六判上製/248頁/2200円+税
ISBN978-4-8461-1517-3 C0036
現代フランスでは、男女とも愛と自立とのあいだをジグザグに進みながら生きている。経済的にも性生活でも自立している多くの女性は、カップル生活を維持するために、彼女の独立を犠牲にすることを拒否する。結果として、従来の夫婦生活はなくなりつつあり、寿命が長くなるにつけ、離婚、離別の回数も増え、高度テクノロジー社会の中で新たな孤独につき当たる。
本書は、著名な精神科医の著者が豊富なカウンセリング研究を基に、現代の女と男の愛と性と生活の在り方を提起する。
(2015.12)
■内容構成
序
1 孤独感
孤独のネガティブなイメージ/疎外と「虚無」への恐れ
いつの時代もシングルが多い/理想のパートナー探しの幻想
Ⅰ 不可能な出会い
2 女性の独立
仕事・解放・拘束/自由の落し穴/自立を要求
熟年ベビーブーマー女/性と新しい孤独/孤独を選ぶ/女たちの連帯
子どもをもちたい欲求
3 土台がぐらつく男たち
男であることの意味の喪失/ステレオタイプの女らしさと男らしさ
自立しそこなう/男であることのむずかしさ/男性支配から家庭内暴力へ
父親であることのむずかしさ
4 カップルの変革
義務としての愛情は孤独につながる?/警戒しながらもステレオタイプの男女
関係
結合カップル/ある程度自立し合っているカップル/別居カップル
その他のカップルや期限付きカップル/連鎖的一夫多妻生活
5 ますますむずかしくなる男女関係
せめぎ合い/不貞は常につらい/別れに直面するとき/別れぎわのむずかしさ
Ⅱ 一人でパフォーマンスを目指す
6 職場での孤独
ハードワークの中の孤独/きびしい社会ではきびしく……
7 インフォメーションとバーチャル幻想
自分は一人ではないという幻想/バーチャル幻想/サイバー依存症
オナニスト社会
8 消費文化に踊らされるナルシズム
シリアライズ(並列化)される個人/存在するために消費する……
なければならない/倒錯の通俗化と、脆いナルシズム/自信過剰の落し穴
9 出会い系サイト
「シャスール・フランセ」からミーティックへ/クリックするだけ
使い捨てパートナー/厳格なセレクション/求めすぎと行きづまり
Ⅲ 新しい孤独
10 解放されること
失恋の悲しみを避けるために欲望を遠ざける/相手を求めるより、自分自身で
ありたい欲求/苦しみをともなう社会から遠のく
11 ノンセクシャル・ライフ
セックスは、なくてはならないものなのか?/性欲が衰えるとき
アセクシャル(無性愛)であること/アセクシャルは神経症ではない
12 一人でいられる資質
幼児時代に必要な孤独体験/あなたの孤独を愛すべき/内部に達する
13 孤独を選ぶ
自分の根源にもどる/自分自身であること/孤独への手ほどき
孤独への入門ツアー/ヒーローかクリエーターか/他人に対する寛容さ
あとがき
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