書籍内容
門奈弘己[著]
四六判上製/208頁/2300円+税
ISBN978-4-8461-1518-0 C0036
化学災害とは、化学物質が大きく関わっている爆発や火災、漏えいなどの事故のことである。大きな化学災害として、イタリアのセベソ事故やインドのボパール事故が有名である。最近では、中国でも度々起きている。だが、化学災害は工場だけではない。道路や住宅での火災も、化学物質がからんでいる場合が多い。便利で快適な暮らしは、石油などの化学物質に負うところが大きい。本書は、様々な化学災害を例に取り、いかに身近に危険がひそんでいるか、どうすれば避けられるかを考える。
(2015.12)
■内容構成
はじめに
第Ⅰ部 化学災害の実態
序 章 化学災害とは何か
第一章 化学工場・倉庫・その他の施設で起きた化学災害
事例一 イタリア・セベソ イクメサ化学工場での爆発事故(一九七六年)
事例二 ユニオン・カーバイド・インド社 ボパール工場での漏えい事故(一九八四年)
事例三 (株)日本触媒姫路製造所での爆発・火災事故(二〇一二年)
事例四 東ソー(株)南陽事業所での爆発・火災事故(二〇一一年)
事例五 日進化工(株)群馬工場での爆発事故(二〇〇〇年)
事例六 (株)シバタテクラムでの爆発・火災事故(二〇一四年)
事例七 (株)寶組勝島倉庫での爆発・火災事故(一九六四年)
事例八 大阪大学での爆発事故(一九九一年)
事例九 渋谷松濤温泉シエスパでの爆発事故(二〇〇七年)
第二章 自然災害に伴う化学災害
事例一 新潟地震による昭和石油(株)新潟製油所の原油タンク火災(一九六四年)
事例二 東日本大震災による気仙沼市屋外貯蔵所タンクの火災(二〇一一年)
事例三 東日本大震災によるコスモ石油(株)千葉製油所のLPGタンク火災(二〇一一年)
第三章 輸送中の化学災害
事例一 西宮市国道でのタンクローリー横転爆発事故(一九六五年)
事例二 東名高速道路でのタンクローリー横転漏えい事故(一九九七年)
事例三 新宿駅構内での貨物列車衝突事故(一九六七年)
事例四 成田国際空港での貨物機着陸失敗事故(二〇〇九年)
事例五 熊野灘でのケミカルタンカー衝突事故(二〇〇五年)
第四章 住宅における化学災害
第一節 火災の発生件数
第二節 火災による死傷者数
第三節 火災の種類と犠牲者
第四節 建物火災
第五節 火災発生件数と犠牲者数がなかなか減らない理由
第Ⅰ部のまとめ
第Ⅱ部 化学災害から身を守るために
序 章 身を守るために必要なことは何か
第一章 自分の身近な所で起こりうる化学災害について「知る」
第一節 私たちの暮らしと化学物質
第二節 事後的な化学物質政策の時代
第三節 予防的な化学物質政策の時代へ
第四節 日本のPRTR制度の導入過程と概要
第五節 PRTR制度の公開データ
第二章 もしもの時のために「備える」
第一節 周辺住民の監視の目とリスク・コミュニケーション
第二節 理想的な形へ近づけるために―市民の意識を高める
第三節 理想的な形へ近づけるために―化学物質に関わる法律体系
おわりに
参考資料
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