書籍内容
山口広[著]
四六判並製/392頁/2500円+税
ISBN978-4-8461-1706-1 C0036
統一教会の被害にあった人は、みなまじめで、素直な人たちだ。加害者でありつづける信者たちも、かつてはまじめで素直な嘘をつけない人だった。統一教会は宗教を組織的な資金集めの手段とし、人集めの道具に悪用している。反社会的な犯罪行為・違法行為を正しいこと、信者としてなすべきことと思い込ませ日々実践するような人格に彼らを変容させている。世界平和統一家庭連合(略称「家庭連合」)と名称を変えて、文鮮明の死で内部分裂をしても巧妙に仕組まれる霊感商法の手口は変わらない。
本書は、1993年春に刊行した『検証・統一協会──霊感商法の実態』をその後24年間の統一教会の被害救済の活動を踏まえて、ほぼ全面的に書き直した。(2017.4)
■目次
はじめに
第1章 文鮮明の死と一族の分裂
文鮮明ファミリーの分裂と崩壊
統一教会の名称変更とその後
七男亨進の分派・サンクチュアリ教会
第2章 霊感商法の何が問題か
霊感商法とは
統一教会の霊感商法
被害回復活動
霊感商法の背景
正体隠しの活動
統一教会の伝道手口の違法
第3章 なぜ信者になるのか
自己啓発センターと偽って
入信パターン
信者への道──典型例
「教育」のテクニック
誘い込みのテクニック
「伝道」の問題点
第4章 霊感商法の実態
勧誘の手口──街頭アンケート
印鑑・念珠から献金まで
霊感商法の商品の数々
被害例──四十歳既婚女性・藤沢良子さんの場合
七億円余の被害──稲垣家の場合
統一教会側の弁明
ノルマに追われる日々──販売員の実情
統一教会信者の悲鳴
第5章 霊感商法の背景と歴史
霊感商法の創世期
霊感商法の全国展開
霊感商法の社会問題化
被害救済を妨げる陰湿な手口
警察による相次ぐ摘発と新世事件
検察官の論告
犯罪の組織性を認めた判決
統一教会の組織的犯行であること
沖縄天守堂の店長の告白
徳野会長名義の指導文と疑問
第6章 統一教会(家庭連合)とは
統一教会の信者数と歴代会長
家庭連合へ名称変更と最新の陣容
常に社会問題を引き起こす
文鮮明の経歴と日本
実態と教義──神戸事件から
危険な教義──二分法で惹きつける
統一教会の内部構成
統一教会の財源国──日本
第7章 統一教会の世界戦略
韓国で──ヨイド島のビルと兄弟の抗争
〇八年韓国総選挙立候補でわかったこと
日本の資金を使う国
アメリカ・EU・ロシアで
中国、北朝鮮へ
勝共連合など統一教会の多様な顔
文鮮明の日本入国
マルエス作戦──議員との癒着
世界平和女性連合(女連)
天地正教
日韓トンネルの実情
日韓トンネルの展望
原理研究会
統一教会に無自覚な企業
第8章 霊感商法と統一教会の未来
霊感商法の今後
定着経済
より悪質、巧妙に
借金地獄の統一教会
藤井会長(当時)からの手紙と三〇〇〇万円の「聖本」
清平・先祖解怨による搾取
次々と分派が
第9章 弁護士としての法律上の対策
支払金の返金交渉
霊感商法被害者の訴訟
既婚女性Mさんの裁判
高齢の未亡人Dさんの裁判
二人の元信者の献金被害
離婚した夫が元妻による献金等被害を回復した裁判
訴訟の結果と未払い賃金・婚姻無効
相談・交渉そして訴訟
青春を返せ訴訟
信者と家族との話合い
第10章 統一教会・カルト対策の今後
いまもあるカルトの危険
日本の貧しい対策の実情
なされるべき対策
新しい動きの希望
事態は切迫している
統一教会関係年表
あとがき
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