書籍内容
白石忠夫[編著]
四六判並製/226頁/2000円+税
ISBN4-8461-0014-6 C0036
ディーゼル車などクルマの排ガスによる発がん物質の排出、大気汚染、地球温暖化問題など、いまやクルマ社会をこのまま放置しておくことはできない。欧米各国はすでに公共交通の復活など脱クルマ社会へと向かっている。本書はその現状と展望を考える。(2000.11)
■主内容
はじめに
第1章 改善の見通しのない自動車交通による被害
一 ディーゼル排ガスには発ガン物質
二 自動車は最大の大気汚染源
三 自己矛盾に陥ったクルマ社会
四 自動車交通の社会的コスト
第2章 脱クルマ社会へ向かう世界
一 自動車から鉄道へ
二 脱クルマ社会化はアメリカから
三 ロスから学んだサンフランシスコ
第3章 クルマ社会の放置を許さなくなった地球温暖化
一 地球気温上昇を警告する国際機関
二 CO2排出削減策を実施しない日本
三 教訓に富む西欧の温暖化防止政策
四 アジェンダ21の核心
五 CO2 削減に積極的なEU
第4章 欧米で進行する自動車交通削減
一 アメリカ交通政策の変化
二 ロサンゼルスの大気汚染と交通削減策
三 欧州諸都市における自動車交通の削減
四 都市交通を支える仕組み
第5章 シンガポールの先進的交通体系
一 東南アジア大都市の自由放任の都市交通
二 独自の交通計画のパイオニア、シンガポール
三 自動車保有、使用削減政策にいたるまで
四 シンガポールの総合交通政策実現の条件は何か
第6章 環境にやさしくと矛盾する自動車業界の動き
一 RV車販売に血道をあげるメーカー
二 ディーゼル車志向へと誘導する自動車メーカー
三 大型化を進めた自動車メーカー
四 自動車メーカーの地球環境対策
五 ぜいたくな日本の乗用車利用
第7章 地球環境に逆らって自動車道路建設
一 八〇年代に策定した巨大な自動車道路網
二 世界最高の日本の道路整備水準
三 自動車交通の増加を保証する道路特定財源制度
四 道路建設に群がる政治家・官僚構造
五 破産状態にある東京湾アクアライン
六 危機にある本州四国連絡道公団
七 道路建設は交通量の増加、環境悪化の要因――英仏の政策転換
第8章 時代に逆らう日本の新交通政策
一 運輸官僚も批判する現在の政策
二 自動車業界擁護の新交通政策――運輸政策審議会報告
三 自動車業界のために働く政治家
四 OECDの厳しい日本の交通政策評価
第9章 尼崎公害判決とディーゼル排ガス対策の歴史
一 はじめてディーゼル排ガスによる健康被害を認めた判決
二 ディーゼル排ガスによる健康被害の公表を妨げようとした環境庁
三 尼崎公害訴訟判決後の二十一世紀運輸政策
終章 環境重視の交通計画を推進する力
一 ドイツの住民運動の経験
二 住民運動の思想からEU共通の環境政策へ
三 新しい交通体系への転換の動き
四 孤立する日本の交通政策
五 急務となった日本の政策転換
あとがき
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