書籍内容
エリック・ローラン[著]/門脇仁[訳]
四六判上製/248頁/2200円+税
ISBN4-8461-0209-2 C0045
イギリスからヨーロッパ大陸へ狂牛病が拡がった。酪農・食肉産業保護のため後手にまわるフランス政府の対応。隠される情報と拡大するリスクの中で、次々と明らかになるBSE感染の実態。全頭検査は狂牛病危機の序章にすぎない。種の壁を超え、着実に人間の犠牲者を増やして行く感染ルート。 狂牛病の底知れない恐怖を余すところなく明らかにした本書は、わが国の楽観的な狂牛病対策に対する強い警鐘である。(2002.6)
■目次
序
1 食人族
抑制不可能にして不可解なプリオン/ゆっくりと、容赦なく死を迫るもの
2 食卓の危機
斥けられた科学者たち/口封じ始まる/秘匿された情報/汚染牛肉/血液中のリスク
神経の感染性
3 屠場のリスク
健康な肉にも汚染が――/犠牲になった屠場労働者たち
4 飼料混合による汚染
無害の飼料と肉骨粉が入り混じる
5 土壌汚染
ある模範的な農夫の転落/錯綜するリスク/人間にも土壌感染のリスクが
6 保存にまつわる疑惑
7「フランスの狂牛病は始まったばかり」
「リスクなんてどこにもない」/狂牛病の隠れた症例
8 「NAIF」と「スーパーNAIF」は大きな陰謀か
避けられない母子感染
9 病原となる肉骨粉
リスクは消えない/常軌を逸した偏重
10 肉骨粉――全面禁止は一時的か――
肉骨粉の輸入解禁を断行?
11 ウィルス説もある狂牛病
12 リスクは牛肉だけか
「フランスの食糧モデルを侵害するな」/風評被害を防ぐために現実を隠す/鶏肉の危険
他の動物種にも伝染するBSE
13 羊――狂牛病の原点――
豚・ネコなどの動物種
14 牛乳と母乳の感染性
「警告に値しないリスク」
15 アメリカの狂牛病
毎年三万頭の牛が死んでいる/グローバル化で狂牛病が増大/ シカの感染
自由に移動するプリオン
16 検査――遅れた措置とその限界――
17 フランス政府の将来不安
消費者にまわるツケ/事態の大きさに気づく国民
18 新変異型ヤコブ病の血液感染
危険は依然、隠される/新たな段階に入ったばかり/ 事実をさらに隠蔽
19 病院の危険
責任は問えても罪は問えない?/ヤコブ病、それともアルツハイマー病
注
関連年表
訳者あとがき
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