書籍内容
川名英之・伊藤茂孝[著]
四六判上製/320頁/2500円+税
ISBN4-8461-0217-3 C0036
閑静な住宅が広がる東京杉並区のど真ん中に都の廃プラスチック中心の不燃ごみ圧縮施設「杉並中継所」が稼働した。直後から付近一帯で原因不明の呼吸困難、頭痛などの被害が多発、死亡者まで出る騒ぎとなった。だが都は施設を発生源と認めず、住民は闘いに立ち上がる。本書はその記録! (2002.12)
■目次
はしがき
第一章 「杉並病」の大発生
大気汚染の発端
夜間、開けていた窓から毒物
ホルモン異常で男性化
勤務辞めても続く重症
保育園の閉園、学生の退寮
家族・動物襲った健康被害
「杉並病」とはどんな病気か
第二章 被害者・支援者の運動
アンケート調査とその結果
内科医大谷育夫の活動
「杉並病をなくす会」の活動
「科学者グループ」結成と活動
杉並病の原因究明でシンポジウム
第三章 問題多い行政の対応
積極的だった初期の杉並区
相関認めた杉並区の疫学調査
矛盾多すぎる「硫化水素説」
無意味な調査を繰り返す東京都
杉並区議会の質疑――杉並病の大発生
杉並区議会の質疑――疫学調査
杉並区議会の質疑――公調委裁定まで
東京都議会の杉並病質疑
杉並病問題と環境省
放置続く被害者救済
第四章 公調委での活動
公調委に申請するまで
始まった本格的な審問
相次ぐ優秀な参考人の証言
新型公害・杉並病の準備書面
新たな因果関係論の構築
なぜ六年もかかったのか
第五章 被害者自ら原因究明
闘病の傍ら原因究明に成功
曝露された物質
行政はどう分析したか
分析で分かった空気汚染の実態
曝露物質と病態との関係
第六章 杉並病の原因裁定
認められた中継所との因果関係
健康被害の認定に期限
原因裁定の意義と問題点
第七章 今後の課題
化学毒物出す中継所・破砕施設の総点検
毒物なきプラスチックの開発
活かそう、過去の公害経験
公害等調整委員会
「杉並区における不燃ごみ中継施設健康被害原因裁定申請事件」の裁定
杉並病問題年表
あとがき
レビュー
レビューはまだありません。