カネミ油症 過去・現在・未来

¥ 2,000 (税別)

書籍内容

カネミ油症被害者支援センター(YSC)[編著]
A5判並製/176頁/2000円+税
ISBN4-8461-0607-1 C0036

1968年に発生した日本最大級の食品公害事件、カネミ油症事件は今もって解決していない。加害企業や国は責任をとらず、1万4000名を超えるダイオキシン中毒による被害者は、三十数年にわたって病魔に苦しみ、経済的保障すらされず放置され、患者本人ばかりでなく家庭も破壊された。
本書は、水俣病研究の第一人者、原田正純、疫学の第一人者、津田敏秀、人権派弁護士として著名な保田行雄らが、カネミ油症事件をそれぞれの専門的立場から分析し、いかに被害者の人権が踏みにじられ、理不尽な状態に置かれているかを明らかにし、国の早急な救済を求めている。また、カネミ油症被害者支援センターによる詳細な被害者調査も収録した。(2006.4)

■目次
第1章 カネミ油症事件とはどんな事件か
1 38年前に起こった日本最大級の食品公害事件
2 ダーク油事件と油症事件の関連
3 13%しか認定されなかった「認定制度」の不備
4 裁判をめぐる問題とカネミ油症事件
5 「解決したはず」の仮払金返還問題の苦しみ
6 カネミ油症被害者支援センターの取り組み

第2章 カネミ油症被害者支援センター(YSC)の取り組み
1 前史
2 YSCが取り組んできたこと
3 聞き取り調査から見えた被害者の病状
4 カネミ油症と人権問題
5 取り組みの中で見えてきたもの
6 カネミ油症問題解決のためのYSC提言

第3章 弁護士から見た「カネミ油症事件」の問題点と解決の方向 保田行雄
カネミ油症事件に対する人権救済申立書
第1 申立の趣旨
第2 申立の理由
第3 人権侵害の具体的内容
第4 必要な措置
第5 日弁連の責務と日弁連への期待
第6 補 足

第4章 医師から見たカネミ油症被害者の健康被害と克服への道 原田正純
前文
第1 厄介で便利なもの有機塩素系化合物質
第2 カネミ油症事件の経過
第3 カネミ油症の臨床症状
第4 カネミ油症の診断
第5 カネミ油症事件の責任
第6 カネミ油症事件は史上最大の人権侵害
第7 提言

第5章 疫学者から見た「カネミ認定」の誤りとあるべき姿 津田敏秀
カネミ油症における食品衛生に関する問題について
食品衛生法旧法(抄)
カネミ油症事件における食品衛生行政に関する意見書

第6章 YSCの調査活動と資料
1 女性調査
2 男性被害者調査
3 次世代影響――PCB・ダイオキシン被害は次世代まで
4 骨と歯の健康調査から
5 ケース・スタディ――家族票から見えてくる油症被害の実態
6 台湾被害者

あとがき

納品について

版種類

印刷製本版, 電子書籍版

書評

市民が独自に集めた貴重な資料集

1968年、北九州を中心に発生した食品公害事件の後遺症は今なお続く。1万4000人以上が被害を訴えたが、認定されたのは約1900人。原因はダイオキシンだったとあとで分かる。市民団体の聞き取り調査で乳がん、子宮内膜症など数多くの症状が出ているが、国家的な調査はない。市民が独自に集めた貴重な資料集だ。

◉『毎日新聞』06年5月22日朝刊より。

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