よみがえれ!清流球磨川─川辺川ダム・荒瀬ダムと漁民の闘い

¥ 2,100 (税別)

商品コード: 1102-1 カテゴリー: , , ,

書籍内容

三室勇・木本生光・小鶴隆一郎・熊本一規[共著]
四六判並製/232頁/2100円+税
ISBN978-4-8461-1102-1 C0036

球磨川上流の支川、「日本一の清流」とよばれる川辺川。鮎漁日本一で知られた美しい川です。そこに巨大な多目的ダム計画が持ち上がりました。また、球磨川下流部には発電用の荒瀬ダムがあり、住民達は、振動・騒音・悪臭などに50年以上も苦しめられてきました。ダム建設により鮎漁の収穫は約20分の1に減り、漁民や住民達は生活を守るため国を相手にたちあがりました。
本書は、内水面の共同漁業権を武器に川辺川ダム計画を中止に追い込み、また荒瀬ダムを日本で初めてのダム撤去に追い込んだ、球磨川漁民の闘いの記録です。既存ダムを撤去に追い込む闘い方を含め、今後のダム行政を揺るがす内容です。(2011.3)

■内容構成
はじめに  三室 勇
出版によせてーーダム撤去への道  木本生光
序  熊本一規

第1章 川辺川ダムとの闘い  小鶴隆一郎
1 球磨川漁協とのかかわり
2 川辺川ダム容認派総代誕生
3 球磨川漁協理事候補のてん末
4 球磨川漁協理事へ
5 最初の攻防
6 熊本教授との出会い
7 国交省による川辺川ダム説明会
8 出席手当て攻防
9 下球磨部会のアンケート
10 総代による理事改選請求
11 過料請求、そして裁判へ
12 理事罷免
13 補償額提示、定期総代会で否決
14 総会請求
15 総会前の攻防
16 そして総会でも
17 下球磨芦北川漁師組合結成へ
18 事業認定取消訴訟
19 収用委員会
20 最後に

第2章 川辺川ダムと球磨川漁民  三室勇
はじめに
球磨川漁協とのかかわり
第五〇回総代会における激論
ダムの賛否に関するアンケート
補償金一六億五〇〇〇万円の承認
総代会でも総会でも補償案を否決
漁業権収用申請について
収用委員会における審議
漁協が同意を撤回
損失補償額意見書の撤回と収用申請の取下げ
荒瀬ダム漁業補償について
熊本一規先生との出会い
ダム反対の取組みを振り返って

第3章 熊本県収用委員会における論争  熊本一規
はじめに
一 共同漁業権は漁協の権利か漁民の権利か
1‐1 共同漁業権は関係漁民集団の総有の権利である
1‐2 条文説明要求書をめぐる論争
1‐3 結び
二 共同漁業権を収用すると事業が困難になるか否か
2‐1 土地収用と漁業権収用の違い
2‐2 共同漁業権の収用と補償
2‐3 共同漁業権の収用は事業を困難にする
おわりに

第4章 荒瀬ダム撤去の運動  木本生光
はじめにーー荒瀬ダムが発電を停止した日
一 荒瀬ダム水利権(水利使用規則)を変えた取組み
1 ダムと漁民の権利、熊本先生との出会い
2 坂本村川漁師組合の取組み
3 坂本村住民・議会との連携
4 水利使用規則の変更を実現
二 荒瀬ダム水利権(水利使用規則)を守った取組み
1 熊本県の方針転換と抗議活動
2 間違いを正す河川法の勉強会
3 荒瀬ダムの撤去を求める議員連盟
4 再び戻った荒瀬ダム撤去
5 日本で初めての通知書
終わりにーー荒瀬ダム撤去に向けて

第5章 座談会 ダム反対運動を振り返る
運動への関わり
利権狙いの「反対派」
推進派の送り込み
総代会・総会の攻防
収用委員会での論争
荒瀬ダム撤去の取組み
運動を振り返って

ご支援いただいた皆様に  小鶴隆一郎
あとがき  熊本一規

納品について

版種類

印刷製本版, 電子書籍版