生殖医療の何が問題か

¥ 1,700 (税別)

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書籍内容

伊藤晴夫[著]
四六判並製/212頁/1700円+税
ISBN4-8461-0620-9 C0047

生命科学・生殖医療の進展はめざましい。生殖医療は、確かに不妊で悩むカップル、「子どもがもてない」とあきらめていた人たちへの福音である。
しかし問題は、そこから始まる。現在、不妊症や少子化を背景に代理出産が注目されているが、それは男女の産み分けや障害児の排除へつながる可能性がある。そして、無制限な生殖医療の応用がはじまり、その果てにデザイナー・ベビーが誕生しないとも限らない。
いったい、「いのち」の操作は、どこまで許されるべきなのか。遺伝子操作を経た新しい人類誕生の扉はすでに叩かれている。われわれは明瞭な意志をもって「選択」すべき岐路に立たされている。 いのちとは何か、人間とは何か……。いま、われわれに必要なのは、豊かな想像力である。
本書は、日本不妊学会の理事長を務めた第一人者が、生殖医療の現状と問題点を分かりやすく解説し、どこまで許されるのかを問う。(2006.11)

■目次
はじめに

序 章 ヒトがヒトをつくることについて
フィクションから考える「いのち」のかたち
鉄腕アトムと人工生命

第一章 なぜ、いま考えなければならないのか
すばらしくも勇ましき新世界
坂の上に立つわたしたち
人間とショウジョウバエ
ダンベルを持ち上げる幼児

第二章 いま、「いのち」のなにが問題なのか
きっかけは不妊症治療
不妊症対策の変遷
死後の生殖補助医療
代理出産(代理懐胎)について
遺伝上の親を知る権利(人工授精および養子)
ダウン症児が消える
着床前遺伝子診断(受精卵診断)
クローン人間
ヒトクローン胚研究

第三章 私が考える「いのち」の原則
生命倫理の四原則
日本人の古層と「いのち」の倫理
私が考える原則
利己と利他との往復運動
子供の視点の重視
優生思想を排除する
商業主義を排除する
性感染症対策

終 章 人類の未来とわれわれの「選択」
「アイスマン」の衝撃
「人間圏」という座標軸
いまこそ民主主義の季節

主要参考文献一覧
あとがき

納品について

版種類

印刷製本版, 電子書籍版

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