電力改革と脱原発

¥ 2,200 (税別)

書籍内容

熊本一規[著]
四六版上製/200頁/2200円+税
ISBN978-4-8461-1420-6 C0036

政府の「エネルギー基本計画」は原発を「重要なベースロード電源」と位置づけるが、原発がなくても電気は足りるし、原発は高コスト、かつ「ベースロード電源」の要件を満たせない失格電源である。
そのうえ、電力改革に伴い、発電事業が自由化されるため、原発は淘汰されていく。同時に、小売事業も自由化されるため、消費者は不買運動で原発企業を潰せるようになる。
また国は、放射能で汚染された廃棄物の規制を大幅に緩和し、通常廃棄物と同様に処理・リサイクルを行なえるようにして、汚染を全国に拡散させている。しかし、こうした国の原発企業救済策も電力改革後には不可能になる。
本書は、政府のまやかしの論理を理論的・実証的に論破し、脱原発・脱汚染こそが未来のエネルギー・環境政策の基本であることを立証する。
(2014.12)

■内容構成
はじめに
第1章 エネルギー基本計画を批判する
1 原発は「重要なベースロード電源」
2 ベースロード電源とベストミックス論
(1) ベースロード電源とは何か
(2) ベストミックス論とは何か
3 原発は失格電源である
(1)  ベースロード電源は劣った電源である
(2) 原発はベースロード電源としても失格である
4 「原発の電気は安い」は誤りである
(1) モデル試算の検討
(2) コスト等検証委員会報告書
(3) コスト等検証委員会報告書の検討
5 核燃料サイクルは不経済
(1) 核燃料サイクルとは何か
(2) 直接処分の優位性は明白
(3) 核燃料サイクルを断念しない政治的理由
第2章 電力システム改革とは何か
1 名ばかりの電力自由化
(1) 地域独占の根拠は「規模の経済」
(2) 電力自由化の進展
(3) 電力自由化の担い手は新電力
(4) 新電力の伸びを阻むもの
(5) 規制なき独占
2 「名ばかりの電力自由化」から電力システム改革へ
(1) 「規制なき独占」から競争状態へ
(2) 非対称規制が必要
(3) 垂直統合型から構造分離型へ
(4) ディマンドレスポンス
(5) 価格シグナルによる需給調整
(6) 電力システム改革専門委員会報告書
(7) 電力システム改革の工程
第3章 電力システム改革は脱原発を促進する
1 電力システム改革と原発の新増設
2 電力システム改革と原発の再稼働
3 電力システム改革に伴う原子力損害賠償制度の大転換
(1) 原子力損害賠償法の仕組み
(2) 福島原発事故の補償
(3) 電力システム改革後は破綻処理が当然になる
第4章 放射能汚染の拡散と脱汚染 125
1 がれき広域処理による放射能の拡散
2 「放射性物質により汚染された廃棄物」の処理制度
(1) 「放射性物質により汚染された廃棄物」とは
(2) 特定廃棄物は国が処理
(3) 特定一般廃棄物・特定産業廃棄物は市町村・排出企業が処理
3 特定廃棄物の処理による放射能拡散
(1) 焼却による拡散
(2) 埋立による拡散
4 不法投棄による放射能拡散
5 リサイクルによる放射能拡散
6 環境法改正は放射能汚染を防げない
(1) 環境基本法の改正
(2) 個別環境法の改正
(3) 監視だけでは汚染を防げない
7 脱汚染の道筋
(1) 電力システム改革が放射能拡散政策を変える
(2) 帰還強制は殺人にも等しい暴挙
(3) 脱汚染の鍵は「避難の権利」
あとがき
索引

納品について

版種類

印刷製本版, 電子書籍版

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