根絶! ヘイトとの闘い─共生の街・川崎から

¥ 1,900 (税別)

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書籍内容

ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク[編者]
四六判並製/239頁/1900円+税
ISBN978-4-8461-1708-5 C0036

在日コリアンを中心に多文化共生の町づくりを長きにわたって進めてきた川崎市南部桜本……。保育園から学童保育、識字日本語学級などの施設が密集するこの生活圏に、「朝鮮人は敵。朝鮮人は出て行け。 敵をぶち殺せ」とヘイトデモが襲いかかる。
これを見た中学生は「市長さん助けてください。川崎もルールを作ってヘイトデモができないようにしてください」と訴える。在日コリアンも日本人も外国ルーツの子ども達も手を携えて「ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク」を結成して、抵抗する。川崎市や市議会、裁判所、法務省、警察、国会に働きかけて、ヘイトデモを遂に押し返し、いま人種差別撤廃条例の制定をめざして闘う「市民ネットワーク」の全記録。(2017.6)

■目次
第1章 なぜ、川崎・桜本がヘイトデモの標的にされたのか?(山田貴夫)
1 川崎の在日コリアンの戦後
2 川崎の在日コリアンの地域活動
3 日立裁判以降の川崎の民族差別撤廃運動
4 川崎市の取り組み
第2章 ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワークの運動(山田貴夫)
1 川崎でのヘイトデモ
2 「ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク」の結成集会
3 当事者の立ち上がりと支援の輪の広がり
4 国会におけるヘイトスピーチ解消法の成立
5 ヘイトデモを阻止、桜本への接近を禁止
第3章 「あるを尽くす」─当事者、地域の声を市や国へ届ける(崔江以子)
1 「助けてください」市へ救済を求めて─中学一年生の市長への手紙
2 「助けてください」国へ救済を求めて─法務局へ人権侵犯被害申告
3 桜本から国会へ─参議院法務委員会での参考人陳述
4 国会から桜本へ─根絶への想いを共に
5 法務省からヘイトデモ主催者へ「勧告」─反省して繰り返してはならない
第4章 人権侵犯被害申告と法務局勧告の意義について(神原元)
1 はじめに
2 法務省勧告の内容
3 勧告の位置づけ
4 勧告内容の分析
5 法務省勧告の意義
6 法務省勧告の限界
7 法務省勧告の有効活用
第5章 NO PASARAN 「桜本を踏みにじらないで」─ヘイトデモ禁止仮処分命令申立事件(三木恵美子)
1 仮処分を申し立てた経緯
2 証拠の選択
3 合議、送達、審尋
4 決定書主文について
5 裁判所がこの命令を下した理由について
6 司法的判断の重み
第6章 川崎市議会の取組み(山田貴夫)
第7章 自治体に「人種差別撤廃条例」の制定を求めて─川崎でヘイトスピーチをさせない仕組み、条例化をめざして(三浦知人)
1 川崎南部の民族差別をなくす地域活動
2 市民のネットワークをつなぎ、行政と議会への働きかけ
3 人権被害の現場からの発信─国へ市へ
4 国の法成立をうけて
5 すぐにやれること、今やるべきことを求めて
6 条例化に向けた市・市議会・市民の高まり
第8章「闇との闘い。希望を信じて」─インターネット上のヘイトスピーチとの闘い(崔江以子)
1 見えない相手からの攻撃─一一九万件の絶望と恐怖
2 策がないなら策を求める
3 絶望や恐怖に飲み込まれないために─人権侵犯被害申告
4 削除要請、削除までの経過
5 人格権侵害からの救済
6 行政機関の本気を示し、希望の光を照らしてほしい
第9章 人種差別撤廃にむけた自治体の責務(師岡康子)
はじめに
1 人種差別撤廃条約上の義務
2 条約とヘイトスピーチ解消法
3 ヘイトスピーチ解消法と地方公共団体
4 解消法上の自治体の責務の内容
5 条例のいくつかのタイプ
おわりに
第10章 「さべつのないかわさき」(石橋学)
傍観者だった私
託された言葉
景色は変えられる
資 料
資料1 人権侵犯被害申告書
資料2 人権侵犯被害申立に対する法務省の勧告(二〇一六年八月一日)
資料3 ヘイトデモ禁止仮処分命令申立事件(平成二八年(二〇一六年)(ヨ)第四二号)
資料4 本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律
資料5 ヘイトスピーチの解消に関する決議(二〇一六年五月二十六日)
資料6 「人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する条例」(人種差別撤廃条例)要綱試案
資料7 あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約(一九六五年十二月二十一日国連で採択 一九九五年十二月日本国会承認 一九九六年一月発効)

納品について

版種類

印刷製本版, 電子書籍版

書評

「オール川崎」で挑む

「ヘイトスピーチに NO !」の取り組みが全国各地に広がっている。なかでも神奈川県川崎市での取り組みが際立っている。「オール川崎」を旗印に掲げた「かささき市民ネットワーク」が市議会、行政を動かし、全国に先駆けて公的施設の利用を制限するガイドライン案をつくらせた。国の対策法成立にも大きな影響を与えたことでも知られる。これは結成から1年余りの闘いを振り返った中間報告だ。
執筆陣は「オール川崎」を思わせる多彩な顔ぶれがそろった。在日同胞の多住する桜本で民族差別[解消]を進めるための取り組みを進めてきた実践者を中心に弁護士、ヘイトデモの現場に立って取材してきた神奈川新聞の現役記者まで。
冒頭で桜本地域の歴史的背景を紹介。この地のヘイトデモが「共に生きる街づくり」を推進してきた努力を踏みにじるものだと指摘した。本書を読むとその怒りがよく理解できる。なかでも人種差別主義者と直接対峙し、闘ってきた崔江以子さんが語る「魂の叫び」が胸を打つ。(…)

◉『民団新聞』2017年8月2日付け。

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