Ｊアラートとは何か

書籍内容

上岡直見［著］
四六判上製／272頁／2500円＋税
ISBN978-4-8461-1809-9 C0031

今にもミサイルが飛んでくるかのような危機感が煽られ、Ｊアラートが鳴らされ、子どもまで巻き込んだ国民保護訓練が繰り返される。「地面に伏せて頭を守れ！」というが核ミサイルに有効なのか。「焼夷弾にバケツリレー」と変わらぬ発想ではないか。訓練の目的は、本当に国民の保護なのだろうか。朝鮮半島の緊張緩和に向けた模索が続くいま、社会的・経済的・技術的な事実に基づいて国民保護政策を見直し、本当の危険はどこにあるのかを考える。（2018.6）

■内容構成
序・もう忘れたのか
第一章　Ｊアラートは何のため？
Ｊアラートとは
何が緊急事態か
国民保護訓練の事例
奇妙なテロリスト登場
地面に伏せて頭を守れ？
自・公政権に危機
管理能力はない
第二章　有事法制と国民保護法
有事法制の経緯
平和安全法制
自衛隊の活動
国民保護計画のしくみ
国民保護計画の問題点
付表
第三章　世界の核はどうなっているか
世界の核兵器の現状
米国と核兵器
北朝鮮をめぐる経緯
北朝鮮の核とミサイルの開発経緯
北朝鮮の核戦力の現状
第四章　日本の核武装論
日本の核武装論の経緯と今後
日本国憲法と核武装
自・公政権と核武装
日本の核武装の現実性
核の「平和」利用と軍事利用
第五章　大量破壊兵器の被害
核爆発の過程と被害
生物・化学兵器の概要
生物兵器とその被害
化学兵器とその被害
生物・化学兵器に対する防護
第六章　どこがどう狙われる？
破壊手段と運搬手段
原子力施設への攻撃
大都市への攻撃
東京ドームに弾道ミサイル
米軍基地に弾道ミサイル
市町村別危険度
米本土攻撃は日本に関係あるか
経済面の被害
第七章　避難はできるのか
避難に関するしくみ
避難準備や情報伝達・安否情報
福島ではどうだったか
地方都市での避難シミュレーションと評価
大都市での避難シミュレーションと評価
第八章　平和のためのミサイル知識
市民と専門知識
弾道ミサイルと巡航ミサイル
弾道ミサイルの飛行方式
弾道ミサイル開発の鍵となる技術
迎撃体制は有効か
第九章　軍事とカネのはなし
戦争も平和もカネしだい
日本と世界の軍事費
防衛産業は「もうかる」か
自衛官は尊重されているか
嫌韓・嫌中が経済をこわす
沖縄の基地と経済効果
「市場」は北朝鮮問題をどうみているか
第十章　テロより危険な「内なる敵」
「テロ対策」とは何か
テロには効かない「防犯」カメラ
内なる敵はどこにいるか
防災と町内会
誰が北朝鮮を必要としているか
北朝鮮は過去の日本
ミサイルより危ない経済
もう始まっている戦争
経済界こそ平和主義を
「文民」が戦争を起こす
教育が戦争も平和もつくる
おわりに──攻撃しない・されない国へ