書籍内容
下地毅[著]
四六判上製/328頁/2400円+税
ISBN978-4-8461-2101-3 C0036
東尋坊の断崖をさまよい、眼下の海をのぞいて立ちすくみ、身を投げ出そうとする自殺企図者……そうした人を見つけるや体を張って止めに入る「NGO月光仮面」。断崖の自殺防止パトロールだけではなく、命以外のすべてを失っている人に、生活保護の申請を援助し、住む場所と日々の食事を用意し、自立を促す「NGO月光仮面」の活動。
「NGO月光仮面」は、生活保護申請を様々な手口で受け付けない行政と年間1万人を超える人間を自殺に追いやる冷酷な日本国に立ち向かう!(2021.1)
■内容構成
まえがき
日本国憲法と生活保護法
独立個人
第1章 緊急出動
救いの電話
死を拒む体
死にたい以外の感情
即席の相談会
追悼
ヒロシの出動
ヒロシの逃走
「NGO 月光仮面」
第2章 随応寺
ルイの保護
寺の1カ月
ルイのひとり語り
マリの保護
寺の1カ月
マリのひとり語り
随応寺の小野寺さん夫婦
萌さん
食器棚の貼り紙
教会カフェ
問われない夜
第3章 「失われた世代」に生まれて
うつうつ
リセット願望
我が身
だめ人間の歴史
東尋坊へ
子連れタクシー
遠い存在
2年間の正社員
申しわけない
筆談
東尋坊へ
第4章 攻防─生活保護の窓口
これからどうしますか
プレハブ小屋シェルター
拾う神
2万円
忌避感
窓口と申請書
怒りに震えた日々
闘争心
ほどこし
次からは警察へ
記事のコピー
ヒロシとオサムの申請
借金
親御さん
自立更生計画書
督促状
毒
第5章 攻防─生活保護の圧抑
検証 ケースワーカーの発言
お年寄り
自己負担
監視
貧困ビジネス
逆監視
いいな
個人情報
第6章 攻防─生活保護と扶養
要件と優先
歯止めの数々
民法879条
生活保護法4条の3項
模範解答
検証 扶養照会書の文面
検証 照会書を送った経緯
検証 申請窓口のやりとり
乱れる思い
あんたみたいのが
絆至上主義
第7章 攻防─生活保護と接遇
届きません
説明
不信
話を聞かない
第8章 攻防─生活保護と就労
天職だけれども
混乱と崩壊
甘え
求人はある
包丁
仕事と社会
派遣の人生
境遇
安全網の壁
就労の指導
機械的劃一的
自己責任
月光仮面の就労指導
第9章 攻防─生活保護の力
離れてちょうどいい
憲法の視点
第10章 感情の矛先
天罰
暴言
真骨頂
対等
反応する人
そういう目
署名する心理と論理
喝采する心理と論理
ぜいたくと「本当に」と
ファミリーレストランの夜
仮想の世界
国家的視点
第11章 警察への視線
県境
死ねばいい
ずるい
責任を取れるのですか
同志的な敬意
責任とはなにか
人間の責任
警察官の優しさ
24時間
月光仮面の優しさ
適正は適正か
ナンパ
マナー
第12章 家族の風景
涙の不思議
両親の死
東尋坊へ
あの人
母親
可もなく不可もなく
今どきの若者
けだるさ
生きていたお母さん
また捨てるのか
東尋坊へ
家族ってなんだ
第13章 マリの視点
100回以上の転職
再びの失踪
知的障害
逮捕歴
いつもひとりだった
マリの視点
薄暗さ
エージの部屋
タケシの部屋
共通点
育てられたように育った
学歴
はじかれる
エリコ
母親からすると
家族関係の原則
家族と連絡を取らなければどうしようもない
疲弊
親元に帰るのが一番いい
生きる力
またか
家族責任
殺されそうになった
終 章 「きょうを生きる」を手伝う
手術の同意
病院の連帯保証人
アパートの保証人
異常事態
大学生の問い
駒木さん
その後の東尋坊
「人並み」を求めるとき
タモツの「遺言」
その後の月光仮面
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