書籍内容
臺宏士[著]
四六判並製/216頁/1800円+税
ISBN978-4-8461-2007-8 C0036
「あなたに答える必要はありません」。菅義偉・内閣官房長官は望月衣塑子東京新聞記者の質問にこう言い放った。官房長官記者会見で、望月記者は歯に衣着せぬ物言いで質問をぶつけ続けている。その一方で、その質問内容をめぐって、東京新聞(中日新聞東京本社)は、首相官邸から何度も抗議の申し入れを受けていた。 長期化する安倍政権下で起きている、望月記者への質問妨害、「面前DV」、「いじめ」。腰が引ける内閣記者会、官邸が東京新聞に行った9件の申し入れはどんな内容だったのか。 本書では東京新聞が明らかにした申し入れの時系列にそって官邸が苛立ちを見せた「望月質問」について検証。政権による報道圧力、メディアの自殺行為ともいえる危機の現状に肉薄する。(2020.4)
■内容構成
序 章 「問題意識の共有」(2018年12月28日)
第1章 「認可保留決定が出た」(2017年8月25日)
官邸「許容できない」
「望月さんがあそこまでガンガン……」
第2章 「政府側がドタキャンした」(2018年1月16日)
官邸「ドタキャンしてない」
「事実に基づかない質問が行われ……」
「他のメディアにも(抗議文を)送るつもりか」・50 第3章「安倍首相は記事修正後も朝日批判」(2018年3月1日)
官邸「誤りを認めた記事書かれてない」
「森友学園」問題の再燃
首相、国会で朝日批判繰り返す
「朝日新聞が修正記事を出しております」
ある成功体験が安倍首相の朝日バッシングの背景に
第4章 「会見削減を言いたいのか」(2018年3月29日)
官邸「質問でなく意見だ」
東京「『意見』に当たらない」
第5章 「相談記録は個別に答えない」(2018年5月29日)
官邸「(官房長官の)発言ない」
「そうしたメモについては、あー承知いたしておりません」
第6章 「メモの調査を」(2018年6月19日)
官邸「質問ではなく要請」
「メモがあるかどうか調査していただきたい」
第7章 「強行採決が行われた」(2018年11月28日)
官邸「強行採決は事実に反する」
「強行採決なんかやってません」
第8章 「防衛省、実態把握できてない」(2018年12月26日)
質問妨害
質問は事実だった
第9章 「投票権踏みにじる」(2019年1月18日)
官邸「主観に基づく個人的見解」
官邸は質問妨害をやめなかった
第10章 「質問妨害の再開」(2019年5月21日)
25秒で「質問に移って下さい」
小池都知事の「廃除発言」
「本紙記者を狙い打ちにした質問制限」
官邸「(今後も)呼びかけ行う」
第11章 「非常に不当な扱いを受けている」(2020年1月22日)
質問外しに番記者側も加担?!
「私だけが指されていない」
「番記者だって」
菅氏が夜回り取材を拒否
内閣記者会が「望月いじめ」を「黙殺」
『毎日』官邸キャップ「負け犬の遠吠え」
終わらない質問制限
第12章 「メディアの自殺行為」(2017年9月12日)
突然の会見打ち切り
「望月封じ」の新ルール
菅氏「質問に答える場でない」
あなたがすることのほとんどは無意味であるが……
エピローグ
あとがき
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