書籍内容
熊本一規[著]
 四六判上製/280頁/2700円+税
 ISBN978-4-8461-2211-9 C0036
「権利」とは「一定の利益を自己のために主張することができる法律上保障された力」をいいます。そのため、法律には、権利者の意思を尊重する規定が設けられています。
 それらは、長年の民衆の血と汗によって勝ち取られた成果です。ならば、権利を侵害する事業に対して、それらの規定に依拠し、権利者が自分の持つ権利に基づいて闘うことを柱とする手法が有効ではないか。
 本書はそう考えて、1976年以来、一貫して「権利に基づく闘い」を追究してきた集大成です。(2022.6)
■内容構成
 はじめに
 第Ⅰ部 漁業権
 第1章 上関原発と漁業権
 問題の概要
 私見
 1 なぜ漁業補償が必要なのか
 2 許可漁業・自由漁業は慣習に基づいて権利になる
 3 漁業補償を受ける者は「漁業を営む漁民」
 4 二〇〇〇年補償契約と地裁判決・高裁判決
 取組み
 1 一九八五年~二〇一一年三月の取組み
 2 二〇一一年三月一一日の大瀬戸聰室長との電話
 3 ボーリング調査に関する大瀬戸文書への反論
 4 ボーリング調査に関する末国文書への反論
 結果
 Q&A
 第Ⅱ部 廃棄物問題
 第1章 伊万里射撃場の鉛汚染
 問題の概要
 私見
 1 「産廃の不法投棄」で攻める
 2 土壌汚染対策法の適用
 取組み
 1 不法投棄を認めさせ/クレイとプラスチックトレイを回収させる
 2 立入禁止措置を乗り越えて土壌汚染対策法を適用可能に
 3 環境対策検討委員会による後退・迷走
 4 検討委員会の誤りを意見書と県交渉で正す
 5 検討委員会の誤りをケーブルテレビ報道で正す
 6 泉副市長が鉛汚染への取組みを表明
 結果
 Q&A
 第2章 米子市産廃処分場と水利権
 問題の概要
 私見
 取組み
 結果(途中経過)
 Q&A
 第3章 福島中間貯蔵施設計画と地権者
 問題の概要
 1 中間貯蔵施設とは
 2 地権者会と環境省との団体交渉
 3 団体交渉の経緯と論点
 4 「地上権価格」という奇怪な補償算定方式
 5 団体交渉の打ち切り
 私見
 Q&A
 第Ⅲ部 財産権
 第1章 都市計画道路事業と沿道住民の権利
 問題の概要
 私見
 1 憲法三十一条「適正手続の保障」
 2 都市計画法における適正手続
 3 都市計画法施行法第二条は憲法三十一条違反
 取組み
 1 学習会の開催
 2 国交省との論争
 3 「権利者の会」の結成
 4 マンションでは共有地売却に区分所有者全員の同意が必要
 結果(途中経過)
 Q&A
 第2章 築地市場の廃止と営業権
 問題の概要
 私見
 1 東卸の機関決定で豊洲移転への同意がなされた問題
 2 築地市場の「廃止の認可」がなされなかった問題
 3 「豊洲移転」に際して東京都が補償を全く支払わなかった問題
 取組み
 1 永尾氏からの問い合わせと学習会開催
 2 営業権組合の結成
 3 免除申請書をめぐる攻防
 4 築地閉場とお買物ツアー
 5 審査請求での論争
 結果
 Q&A
 特別寄稿
 築地市場移転と「開発独裁」 水谷和子
 開示請求が発端の住民訴訟
 都政の腐敗・開発独裁
 石原慎太郎と腹心濱渦副知事の登場で始まった二枚舌
 二枚舌の破たん
 小池百合子都知事誕生とひっくり返ったパンドラの箱
 卸売市場制度の早急な再確立を 菅原邦昭
 はじめに 卸売市場制度誕生の経緯
 1 二〇一八年「改正」の狙いは「日本各地の資源と住民の総植民地化」である
 2 破壊された卸売市場制度の社会的使命、存在意義は
 3 闘いは地域自治から
 4 真の民主主義とは、誰かをヒーローではなく、みんながヒーロー
 5 非論理性で共生世界の持続を破壊するに至った「巨大私物化資本主義の終焉」
 6 持続的社会の土台となる住民自治による経済運営
 あとがき
 索引






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