[近日刊行]チョルノービリ・マニュアル―—原発事故を生きる――

¥ 4,200 (税別)

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書籍内容

ケイト・ブラウン著
阿部純子・後藤倫代・繁沢敦子
藤田怜史・本行忠志[訳]
日野川静枝・ノーマ・フィールド[監訳]
四六判上製/540頁/4200円+税
ISBN978-4-8461-2502-8 C0036

旧ソ連のチョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故とは何だったのか? 著者は30年後の現地を訪れ、事故処理に投入された兵士のその後、汚染地域の住民や環境影響を調べるため、聞き取り調査を行い、公文書館で貴重な文書を発掘する。

放射能を封じ込めたつもりでも、放射性同位体は独自の環境を作り出し、まるで繁殖するかのように、ひとつの事故が別の事故を生み出し、事故の影響は無限に続いてゆく。福島原発事故も含め原発事故は、社会や国家が管理することの不可能な、長期にわたる健康影響や環境破壊をもたらすことを明らかにする。(2025.2)

■内容構成

日本語版への序文(ケイト・ブラウン)…… 3
凡例…… 7
序章 生き残るためのマニュアル…… 15

第Ⅰ部 事故の真相 29
第1章 第6病院の除
リ クヴィダートル
染作業員…… 30
第2章 避難者…… 47
第3章 雨乞い…… 65
第4章 運転員…… 72
第5章 ウクライナ人…… 85
第6章 物理学者と医師……99

第Ⅱ部 放射能地獄に生きる 113
第7章 羊毛が語る真実…… 114
第8章 きれいな皮革、汚れた水…… 133
第9章 災害が生み出したソーセージ…… 138
第10章 農場を工場に…… 150

第Ⅲ部 人間がつくりあげた自然 163
第11章 沼の住民…… 164
第12章 チョルノービリの大加速…… 182

第Ⅳ部 黙示録後の政治 197
第13章 清掃員…… 198
第14章 KGB の疑念…… 209

第Ⅴ部 医学的な謎 217
第15章 カギとなる証拠…… 218
第16章 暴かれていく大惨事……226
第17章 手を握りあう超大国…… 237
第18章 ベラルーシの夢遊病者たち…… 244
第19章 大覚醒…… 262

第Ⅵ部 鉄のカーテン越しの科学 281
第20章 援軍をよこせ!…… 282
第21章 マリー・キュリーの指紋…… 288
第22章 海外の専門家…… 298
第23章 大惨事探し…… 306
第24章 甲状腺がん:医療鉱山のカナリア…… 316
第25章 バタフライ効果…… 328
第26章 消えた町を探して…… 346
第27章 グリーンピースに付きまとう赤い影…… 351
第28章 静かなウクライナ人…… 361

第Ⅶ部 生き残りの達人 373
第29章 ピエタ…… 374
第30章 剥き出しの生…… 385
終章 ベリーを摘んで未来へ…… 391
監訳者あとがき(ノーマ・フィールド)…… 407
謝辞…… 416
外国語表記と翻訳についての注記…… 421
アーカイブスとインタビューの一覧…… 422
原注…… 425
索引…… 530

納品について

版種類

印刷製本版, 電子書籍版

著者紹介

[著者略歴]

ケイト・ブラウン(Kate BROWN)
マサチューセッツ工科大学Thomas
M. Siebel 卓越教授(科学史)。歴史、科学技術、生政治(身体と生命が管理対象となる支配体制の特徴)の接点が大惨事を引き起こし、荒地を残していく現象を追求。旧ソ連と米ワシントン州の核兵器開発施設と隣接する理想都市をテーマにした『プルートピア:原子力村が生みだす悲劇の連鎖』( 講談社、2016 年)の原著(2013年)はアメリカ歴史学会最優秀賞他五つもの学会賞を受賞。
本書Manual for Survival は二つの東欧史関連賞を受賞、韓国語を含む六カ国語に翻訳。全米書評家連盟賞ノンフィクション部門の最終選考に残ったブラウンは、研究者として、教員としても歴史著述の創造的ノンフィクションの可能性を探究。

[訳者紹介と担当章]
阿部純子(あべ じゅんこ)
元愛媛大学非常勤講師。反核平和運動を中心に通訳・翻訳に従事。
訳書『真実を聞いてくれ』(日本評論社、2006年)。担当:序章・
26 章・29 章・終章

後藤倫代(ごとう みちよ)
 神奈川県立高等学校英語科教員。担当:7 章

繁沢敦子(しげさわ あつこ)
 神戸市外国語大学外国語学部英米学科教授。専門はアメリカ現代史。広島で原爆報道に携わった経験を原点に核をめぐる言説形成を研究。著書『原爆と検閲』(中公新書、2010 年)。担当:1章・2章・3章・4章・5章・6章・8章・9章・10 章・30 章。

藤田怜史(ふじた さとし)
 岐阜市立女子短期大学国際コミュニケーション学科准教授。専門はアメリカ現代史・経済史。著書『アメリカにおけるヒロシマ・ナガサキ観』(彩流社、2019年)ほか。担当:11 章・12 章・13 章・14 章・15 章・16 章・17 章・18 章・19 章

本行忠志(ほんぎょう ただし)
大阪大学名誉教授。専門は放射線生物学。主に低線量被ばくによる人体影響についての研究。担当:20 章・21 章・22 章・23 章・24 章・25 章・27 章・28 章

[監訳者紹介]

日野川静枝(ひのかわ しずえ)
 拓殖大学名誉教授。専門は科学史・技術史。著書『サイクロトロンから原爆へ』(績文堂、2009年)。

ノーマ・フィールド(Norma Field)
 シカゴ大学名誉教授。著書『天皇の逝く国で』(みすず書房、増補版2011年)、『小林多喜二 21世紀にどう読むか』(岩波新書、2009年)ほか。福島原発事故の意義を追求中。

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