書籍内容
米山昭良[著]
四六判並製/264頁/2000円+税
ISBN4-8461-0407-9 C0036
ごみを燃料にしてリサイクルできればすばらしいことだ。自治体が収集する可燃ごみを固形燃料に変換するという、ごみ固形燃料化施設=RDFが全国で稼動している。この夢のごみリサイクルが、実はとんでもない欠陥施設であることが明らかになってきた。三重県ではその施設の火災で消防士が死亡する事件まで発生した。
本書は、早くからRDFの導入にふみきった、静岡県御殿場市と小山町のごみ騒動――企業の甘言に乗った建設から繰り返される故障・事故、そして遂に自治体が建設企業を訴えるにいたるRDF処理の実態――を現地から報告する。 (2004.6)
■目次
序 章
第1章 ごみ固形燃料(RDF)処理に決定
焼却方式を放棄
RDF海外視察の評価は二分
ダイオキシン問題がRDFに追い風
RDFで契約を締結
施設チェックの職員が疑問を持つ
RDF計画の責任者が突然勇退
第2章 夢の施設から地獄の施設へ
まず新兵器がダウン
急浮上したごみ質問題
ほかの施設でも同様の事故
第3章 ごみ処理行脚
ごみの引き取り先に苦慮
大改造工事が終わるや火災事故
センターで使えないRDF
第4章 高騰し続ける維持・管理費
高額な灯油代
電気代も年毎に増額
点検・部品代も大幅アップ
第5章 捏造された技術評価書
最初にJカトレルありき
Jカトレルに有利な判断
第6章 生産すれど使い道なしのRDF
机上では消費先を確保
深刻化したRDF在庫
問題多いRDF燃焼
売値は一トン五〇〇円
第7章 混迷する企業体との交渉
発注側に広がる企業不信
軽く見られた議員の技量
RDF問題で現職市長が落選
システムの問題点を抽出
またしてもごみ質
第8章 第三者機関に検証を委ねる
RDF問題の打開を図る
評価結果に落胆する組合議会
疑惑が生じた評価委員会のメンバー
第9章 RDF生産・燃焼施設の設置に異議あり
ダイオキシン発生を心配
市長のダイオキシン見解に落胆
RDF燃焼への懸念は全国的――栃木県宇都宮市
粘り強い住民運動で計画は中止
焼却がだめならRDFではどうか――大阪府松原市
事業を進めるため説明会を計画
疲弊する石炭産業に代わりRDF発電――福岡県大牟田市
土壌から高濃度のダイオキシン類が検出
市民団体の不安が的中
企業城下町・広島県福山市でもRDF発電
RDF発電で死者二人
三重県の事故を教訓に消火訓練
RDFを含めてエコタウン事業が続々と登場
第10章 ごみ処理――原点へ帰る
ごみ袋有料化で減量を達成
RDFによる収集変更でごみが急増
無料化に待ったをかけた懇談会
ごみ減量等推進審議会は無料化を答申
市議会は賛成多数で無料化を可決
無料化に向けて説明会を開催
逆境の中、ごみの減量に成功
第11章 そして提訴へ
RDF解決に向け広域ネット
RDFの疑念を巧みにかわす
問題の決着を弁護士に委託
弁護士間の話し合いが決裂、訴訟に
約八〇億円の損害賠償を請求
市長が冒頭意見陳述
第二回口頭弁論
保証期間満了で担保責任なし
公共工事の予定入札価格を事前公表
第12章 RDFがもたらしたもの
脱臭装置の建設に踏み切る
RDFとは何だったのか
裁判の今後
資 料
資料1 御殿場・小山RDFセンター計画概要
資料2 全国の中・大規模RDF施設
あとがき
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