デジタル公害―ケータイ・ネットの環境破壊

¥ 1,600 (税別)

書籍内容

懸樋哲夫[著]
>四六判変並製/200頁/1600円+税
ISBN978-4-8461-0807-6

携帯電話もデジタルになり、子どもにキッズケータイを持たせ、さまざまな商品にICタグがつけられています。しかしこうしたデジタル社会は、電磁波が氾濫し、例えば心臓ペースメーカーの誤作動をはじめ、多様なデジタル公害を引き起こします。また情報が管理されやすく、個人情報が企業や国家に絡めとられていく、総監視社会を招来する危険があります。しかも、処理の難しい膨大な廃棄物を生み出します。本書は、急激なデジタル化に伴う問題点を様々な角度からとらえ、デジタル社会への警鐘を鳴らします。(2008.6)

■目次
まえがき デジタル問題とは

すべての物にICタグがつけられる社会
ICタグの落とし穴
「ユビキタス経済波及効果三十一兆円」とはじく総務省
否応なしにテレビがデジタルに移行、巨額な費用、大量廃棄物
アンテナ工事に多額の費用

第1章 デジタル電磁波は危ない?
携帯電話安全性への疑問/デジタル電波の健康への影響
十年以上使用で脳腫瘍が増加/北欧五カ国研究でも十年以上の携帯使用で脳腫瘍増
携帯電話で頭痛、薬品なら副作用/指針値以下でもDNAを損傷
脳関門への影響は/熱により白内障に/携帯電話で精子の減少
アトピー性皮膚炎、花粉症が悪化/相乗効果:喫煙・酒とデジタル携帯使用で染色体に異常
携帯電話の電磁波安全基準は/TCOはSARを〇・八W/kgに定めている
国の基準はどのように作られたか/基準値は普及の後で作られた
日本の調査では「影響なし」/なぜ調査によって違いがあるのか
「業界の資金による調査はリスクが一〇分の一」
低周波の電磁場も出ている携帯電話/電磁場の発ガン性を認定――IARC
予防原則――『遅れた教訓』から/葬られた文部科学省の調査報告
リスクをなかったことに/電磁波とタバコとアスベスト/タバコの警告
電磁波のリスクを喫煙と比較すると/携帯電話は健康に有害であると皆思っている?
基地局アンテナは安全か/東京タワーは安全なのか?/オランダ、フランスの報告
基地局鉄塔建設トラブル/使わない住民にもリスク増加

第2章 暮らしの変化と混乱
オークション詐欺/迷走鉄道・電車内のケータイのルールの変転
統一ルールでメールがフリー/ペースメーカーから22センチ離す
追い出されていく弱者/自動改札で立ち往生・障害者に障害物
ICタグであらゆる個人情報が集積されている
守られないルール・マナーに、仮面ライダー登場?
運転中携帯の事故/ハンズフリーは規制対象外?/ハンズフリーで「視野は狭くなる」
盗難防止装置があったら「立ち止まらず通り過ぎるべし」

第3章 子どものこころ
ケータイ依存症はタバコ、アルコールと同様?/広がる「ネット中毒」
電話だと脳が活動していない/日本語能力の低下/生活の変化から性格の変貌
「ネット中毒」対策/子どもの脳への影響/「子どもは巨大市場」
GPS携帯で子どもが守れるか/親の立場で考えることとは
ネット社会が産んだ殺人事件/ネット社会の危険性に無防備な子どもたち
インターネットと子どもの環境/持つ子供と与える親の認識の大きなギャップ
キッズケータイ大流行で激論/手がつけられない「学校裏サイト」
総務省のフィルタリング「要請」

第4章 携帯電話は災害時・緊急時に役立つか
現在のように普及していれば死者は少なかった?/阪神淡路大震災の場合
地震直後に携帯電話は通じたか/メールも届かなかった/災害時や緊急時の実態
中越地震では被災地が一カ月不通/安易な救助要請が続発する山岳遭難
東海豪雨災害では通じるべき時に不通

第5章 環境汚染
大量破棄される電子機器/電子ゴミ輸出のからくり/使用済み携帯電話は有害廃棄物
有害廃棄物が投棄されるアフリカ/「都市鉱山」と呼ばれる使用済み携帯
生産の段階からの環境問題/携帯電話の電力消費量

第6章 平和を脅かすケータイ
希少金属資源争奪コンゴ内戦で死者四〇〇万人/「巨大ビジネス唯一の敗者はコンゴの民衆」
その後も毎月四万五〇〇〇人死亡/タンタル採掘がゴリラの生息地も奪っている

第7章 くらしとコミュニケーション
デジタル画像はアナログよりもきれいか/消費者が選択したのではないCD
デジタルデバイド/仕事がストレスだけになっている
情報過多で感性が鈍化/日曜生活に必要のない携帯電話は使わない

あとがき

納品について

版種類

印刷製本版, 電子書籍版

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