ホームスクーリングに学ぶ

¥ 2,300 (税別)

商品コード: 0809-0 カテゴリー: , , ,

書籍内容

リンダ・ドブソン[著]/遠藤公美恵[訳]
四六判並製/364頁/2300円+税
ISBN978-4-8461-0809-0 C0037

今やアメリカでは、ホームスクーリングは優秀な生徒を多く排出している。本書は、草分け的存在である著者が、そのエッセンスを披露。手法や勉強のこつを具体的に伝授。ホームスクーリングをめざす親のみならず、すべての親に必読の書。(2008.7)

■内容構成
第1章 できるホームスクーラーの習慣とは
成功するホームスクーラーの七つの習慣

第1部 ライフスタイルを見つめる
第2章 「学習中心のライフスタイル」を身につける
学習中心のライフスタイルを再構築する/誰でもできる、ホームスクーラーの暮らしかた
学習中心のライフスタイルを作りだす方法

第3章 愛情の力を信じる
「専門家」任せをやめる/親(母親として、父親として)の直観を信頼する
眠っている能力を活用する/子どもの、親に対する信頼と敬意を育む
自分に、必要なすべてが備わっていることを知る

第4章 時間を作る
とはいっても……/時間はあなたの秘密の武器/新しく見つけ出した時間を大切にする
では、あなたは?

第5章 常識にとらわれない
ほかの誰もがやるからといって、同調する必要はない/子どもはそのままで、完成した一個の人格である
生活を小分けにしない!/子どもは教えなくても学ぶ/学習の方法は、猫の毛皮の種類ほどもある
学習は、机の前だけでするものにあらず
お金で優秀な成績を買うことはできない それは、お金で幸福が買えないのと同じこと

第2部 子どもの個性を見つめる
第6章 子どもを子ども時代に帰す
子どもの学力はこうして伸びる/子ども時代の魔法/子どもはすばらしい
子どもの天性は簡単にだめになる/子どもには活動と、暇が必要である
「子ども時間」というもの/プライバシーを尊重する
子どもが「子どもでいる」権利を積極的に守る

第7章 子どもはどんなふうに学ぶか
基本/学習の方法についての初心者向け手引き/どうするべきか

第8章 学習を成功させるための六つの原則
好奇心/生まれながらの意欲/目的地への道/楽しさ/失敗を怖れず、成功を求める
勉強するだけで満足しない。知識を応用すべし/大切なのはプロセス

第3部 望ましい学習環境を整える
第9章 もっとも理想的な学習ができる環境
子どもの学習環境を充実させる/経験を深め、広げる
子どもが「フロー」経験を探究する手伝いをする/経験の幅を広げる/一つのことを深く学ぶ

第10章 外の世界に飛び出す
大人は今知っていることや使っているものを、どこで学んだか
誰といっしょに出かけるか/地域を教室に/ボランティア活動で、地域に恩返しをする
家族で外に出かける

第4部 親の大切な役割
第11章 先生? それともファシリテーター?
ファシリテーターとはなんぞや?/子どもの教育に、自分の居場所を定める
教師とファシリテーターのちがい/学習をファシリテートする特権
ファシリテーターの技能に磨きをかける/結局は、親の関与

第12章 口に出して考える
偶然の発見/やっぱり、仲間が!/声に出して考える/注意点

第13章 家庭学習の手伝い
子どもの先生を味方に引き入れる/コンピューターの力を借りる/場所を設ける
お子さんをステレオタイプから解放する/個別教育計画(Individualized Education Plan)
姿勢を正す/家庭学習のあれこれ

第14章 ノートのとりかた、勉強の習慣、テスト勉強
ノートをとり、整理する/何をノートにとるべきか/勉強の習慣とテストの準備
子どもを正しいスタート地点に送りだすには/お子さんにできること

第15章 生徒になるとき
生徒になる/できる子どもとのあたらしい暮らしを謳歌する

巻末資料 やってみましょう。「楽しい学習」を始動する知恵
訳者あとがき

納品について

版種類

印刷製本版, 電子書籍版

書評

子供の自立性を最大限重視

アメリカでは現在200万から250万人がホームスクール(在宅教育)で初等中等教育を受けている。驚異的な数字である。80年ごろにはほとんどの州で認められていなかったが、長年の運動の結果、現在はすべての州で合法化されている。これも驚きである。本書は、このようにアメリカですでに定着したホームスクーリングにおいて、「教師」を実践している多数の親に向けてそのあるべき姿を説き、一般の親にもその気になれば誰でもよい教師になれることを訴えている。 ホームスクーリングの実践者の多くは実は宗教保守派であり、公立学校の世俗的性格に不満を持つ親たちである。本書はそうした背景には触れていないが、社会的認知を受けるのがいかに困難であったかについては力説している。大学入試の成績が通常の教育を受けた子供と同じ程度であることを自ら証明することができて初めて、受け入れられたというのが実情である。 日本ではホームスクールに関して、不登校生徒との関係で若干の関心があるのみであり、実践者はほとんどいない。しかし、親として子供の教育にどのようにかかわるべきかという観点から、多くのことを本書から学ぶことができる。とくに子供の自立性を最大限重視し、親(同時に教師)に対して「先生」であるよりも「ファシリテーター」(進むべき道を開けてあげる人)であるように説く議論は傾聴に値する。 同時に本書は痛烈な公立学校教育批判でもある。著者によれば、「現代のホームスクーリング運動は、教育を家庭や地域に戻そうとするもの」である。そして「教育というものが、比較的シンプルで、お金のかからない、家族中心の、楽しいプロセスだということ」に気がついて欲しいというのが著者の願いである。 市民の力で政府の責任と考えられていることを実行してしまうアメリカの政治文化の強靱(きょうじん)さ、教育における政府の役割と同時に、教育そのものの性格について根源に立ち返って考えるためにも、きわめて興味深い書である。訳書が出たことを喜びたい。

◉久保文明氏評『朝日新聞』2008年8月31日

レビュー

レビューはまだありません。

“ホームスクーリングに学ぶ” の口コミを投稿します