鉄の壁[第二版][下巻]─イスラエルとアラブ世界

¥ 3,500 (税別)

書籍内容

アヴィ・シュライム[著]/神尾賢二[訳]
四六判上製/556頁/3500円+税
ISBN978-4-8461-1318-6 C0031

本書は、1948年のイスラエル建国から1998年までの50年間における同国の近隣アラブ諸国に対する国家的政策を綿密に考察したものである。日本語版にあたって各章を改訂した本書第2版は、1998年から始まり、アリエル・シャロン首相が意識不明になりエフード・オルメルトが後を継いだ2006年に至るまでの過程を新たに付け加え、内容も今日的に刷新した。
このテーマで書かれた著作のほとんどは、イスラエル寄りの立場で書かれている。イスラエルの考え方は、どの国家主義の歴史ともそう変わるところのない、一方的で自己中心的なものだ。他民族排斥主義で独善的なナショナリスト史観は、こうした悲劇的対立の火に油を注ぎ、長期化させるだけである。
著者は、現代世界におけるもっとも苦渋に満ち、もっとも長く、厄介な紛争について、その過去の歴史をより深く、公平に理解することを通じて、将来的な和解への展望を切り開こうとする。イスラエルの歴史再検証主義学派の第一人者による中東紛争史である。
下巻では、1977年から2006年までの中東紛争を追う。(2013.09)

■内容構成
第9章 エジプトとの和平 一九七七年~一九八一年
イデオロギーと外交
アッ=サーダートのエルサレム訪問
パレスチナ自治計画
キャンプ・デービッド合意
エジプトとの和平協定
第10章 レバノンの泥沼化 一九八一年~一九八四年
バビロン作戦
ゴラン高原の併合
アリエル・シャロンの大計画
戦争への道
レバノン戦争
ベギン時代の終焉
第11章 政治的麻痺 一九八四年~一九八八年
おかしな二人
ヨルダン・オプションの復活
イランとの密約
ロンドン協定
パレスチナ独立戦争
第12章 石の壁(対話拒否) 一九八八年~一九九二年
イツハク・シャミルの謎
シャミルの和平構想
湾岸危機
湾岸戦争
中東和平マドリード会議
二国間和平交渉
ある妨害者の告白
第13章 進展 一九九二年~一九九五年
国家的優先順位の変更
二国間和平交渉の失敗
オスロ・ルート
オスロ合意
暫定自治政府原則宣言の適用
シリア・ルート
ヨルダンとの和平
第14章 後退 一九九五年~一九九六年
首相暗殺
シモン・ペレスと新しい中東
怒りの葡萄作戦
第15章 ふたたび鉄の壁へ 一九九六年~一九九九年
修正主義シオニストの復活
和平プロセスでの宣戦布告
ヘブロン議定書
エルサレムへの戦い
対シリア、レバノン交渉の閉塞
幻想の終焉
第16章 ずたずたの和平 一九九九年~二〇〇一年
エフード・バラクの登場
パレスチナ・ルート
シリア・ルート
シェパーズタウンからジュネーヴへ
キャンプ・デービッド・サミット
暴力への回帰
第17章 単独行動主義 二〇〇一年~二〇〇六年
暴力的解決の王者
9・11とその後
「守りの盾」作戦
イラク戦争
ロードマップ
ガザ撤退

エピローグ
参考文献
原注
索引(五十音順)
インタビュー・リスト
訳者あとがき

納品について

版種類

印刷製本版, 電子書籍版

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