書籍内容
大久保貞利[編著]
四六判並製/264頁/2200円+税
ISBN978-4-8461-1619-4 C0054
目に見えず臭いもしない電磁波が生活空間に充満し、電磁波過敏症と呼ばれる症状が急増している。携帯電話やオール電化でガンや脳腫瘍を含めさまざまな健康被害も出ている。こうした電磁波の危険性が明らかになるにつれて、全国で電磁波の規制を求める市民の声も高まっている。本書は、丹念に現場を歩いている著者が携帯基地局、携帯電話、変電所、電磁波過敏症、IH調理器、リニアモーターカー、無線LAN、等々の問題を、最新のデータに基づき、詳しくかつ具体的に紹介。 増補改訂版では、規制を強化する諸外国、逆に規制緩和に向かう日本の最新の動向を追う。とりわけリニア新幹線、スマートホン問題、スマートメーター問題を詳しく取り上げ、問題点を洗う。(2016.10)
■目次
はじめに
第Ⅰ章 基地局問題とは何か
■日本で起こっている事例
1 高校の校舎屋上に基地局を設置しようとした~都立豊多摩高校
2 日本で初の「実際の健康被害を争う裁判」~宮崎県延岡市大貫町
3 医師一家全員が健康被害に遭う~沖縄県那覇市
■海外で起こっている事例
1 欧州では四人のうち三人が基地局に不安感~EU公式調査が示す
2 「基地局撤去」命じる画期的判決~フランス・ベルサイユ高裁判決
3 チリでも基地局撤去の高裁判決出る~ランカグア高裁判決
4 欧州評議会議員会議(PACE)報告書で画期的電磁波規制勧告を行う
■基地局の影響について
1 オランダTNOの基地局電磁波影響調査
2 基地局から三〇〇m以内と以遠との比較
■基地局問題への取り組みノウハウ
1 あなたの近くに基地局が建つ、さあどうする?
2 基地局はここが問題だ
3 すでに建っている基地局の場合~兵庫県川西市
4 住民運動に役立つ情報
第Ⅱ章 携帯電話を巡る問題について
1 精子への影響
2 レフレックス研究~EU(欧州連合)の公式研究
3 保険会社も携帯電話による病気は保険対象外に
~オーストリアのAUVAレポート
4 WHO主導のインターフォン研究
~携帯電話と脳腫瘍の関係をみる国際疫学調査
5 IARC(国際がん研究機関)が高周波電磁波を「2B」に評価
6 携帯電磁波とがんとの関係を示す米国の大規模研究結果の影響は大きい
7 「脳腫瘍の原因は携帯電話」の判決出る
~イタリア・ブレッシア労働高裁判決
8 携帯電話使用に警告を発する三つの情報
第Ⅲ章 変電所はなぜ危ないのか──極低周波発生源の問題
1 寝耳に水、駅構内に変電所ができる
~田園都市線すずかけ台駅問題
2 巨大無人コンピュータビルが住宅街に建つ~文京区千駄木
3 変電所の問題点~変電所の周辺は全体的に磁場が高い
4 WHOの極低周波環境保健基準
~日本でどのように受けとめるべきか
5 EUが評価したバイオイニシアティブレポート
~独立専門家たちの提言
第Ⅳ章 電磁波過敏症って何だ
1 セガベックさん(有名な過敏症患者)のその後
2 世界中で「電磁波過敏症」認知が進んでいる
3 WHOの電磁波過敏症に対する見解
~「症状は確かに存在する」
4 日本初の「医・歯一体化」病院
~佐賀市の矢山クリニック
5 そよ風クリニック
~宮田幹夫医師が開業したクリニック
6 歯科医からみた電磁波過敏症
~藤井佳朗新神戸歯科院長
7 奈良県御杖村にES避難ハウス開設
8 「禁ケータイ」ゾーンをつくるべき
~第二のタバコである電磁波
第Ⅴ章 リニアモーターカー
1 リニアモーターカーとは
2 浮上式には二種類ある
3 リニア中央新幹線の概要
4 超伝導磁石方式の仕組み
5 そもそもリニアは必要か
6 経済的にペイしないリニア
7 事故対策・災害対策がお粗末なリニア
8 リニアは深刻な環境自然破壊をもたらす
9 JR東海の杜撰なリニア電磁波に対する姿勢
第Ⅵ章 スマートメーターの問題点
1 スマートメーターとは何か
2 各家庭のプライバシーは筒抜け
3 海外ではトラブル続きのスマートメーター
4 日本でも起こっている健康被害
5 スマートメーターへの交換に法的義務はない
6 「新電力契約にスマートメーターは不要」(政府答弁)
7 アナログメーターは「製造していない」、「在庫はない」というウソ
8 「通信部は外すから」という新手
第Ⅶ章 オール電化(IH調理器)、無線LAN、スカパーアンテナの問題
1 オール電化(IH調理器)の問題点
2 無線LAN~イギリスでは学校への導入を巡って論争になっている
3 スカパー巨大アンテナ問題~江東区東陽町のマンション街につくる
第Ⅷ章交通機関の「優先席携帯電話使用ルール緩和」は時代に逆行
1 東日本の鉄道三七社が二〇一五年一〇月から携帯使用ルール緩和を実施
2 ルール変更の原因は、総務省指針の変更
3 関西鉄道二五社が先行緩和、その際、一部実施の「ケータイ電源オフ車両も廃止」
4 機器でなく、なぜ生体への影響に入れないのか
5 他にも指針は疑問だらけ
6 病院内の携帯電話使用規制緩和指針も出た
おわりに
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