屠殺─監禁畜舎・食肉処理場・食の安全

¥ 2,600 (税別)

書籍内容

テッド・ジェノウェイズ[著]/井上太一[訳]
四六判上製/292ページ/2600円+税
ISBN978-4-8461-1622-4 C0036

川上の監禁畜舎では過密飼育によって環境と動物福祉が日に日に脅かされ、川下の食肉処理工場ではヒスパニック系労働者が国内随一の危険な労働環境に置かれ、職を奪われた白人社会から敵意を向けられる。果てはスーパーマーケットでは抗生物質漬けの肉が消費者の健康を脅かす。それは生産増に奔走して限界に達してしまったアメリカ企業の肖像であり、また同時に質よりも低価格と利便性をとる人間の肖像でもある。
トランプ大統領を誕生させた現代アメリカ社会の暗部と病根を照らし出す渾身のルポルタージュ。(2016.11)

■目次
プロローグ
第一部
第1章 脳マシン
第2章 コーヒーでも啜って神に祈ろう
第3章 分身
第二部
第4章 小さなメキシコ
第5章 ゴミクズみたく捨てられて
第6章 ここはお前たちの土地じゃない
第三部
第7章 栽培から解体まで
第8章 傷めつけたっていいんだよ
第9章 猿轡
第四部
第10章 これはおかしいと思いましたね
第11章 お呼びじゃない
第12章 兄さん、大丈夫?
第五部
第13章 安全印
第14章 土地の成り立ち
第15章 水道局
第六部
第16章 拒絶の町
第17章 食肉検査
謝辞
原注
訳者あとがき

納品について

版種類

印刷製本版, 電子書籍版

書評

「米国産安い肉」生産過程の実像

米国有数の豚肉加工会社の工場で、労働者に謎めいた症状が出てきたのは生産ラインの加速後だった。膝から下が焼けるように痛む疾患は、後に進行性炎症性神経障害と命名され、食肉処理機器の欠陥が原因だとして、これが撤去された。 患者の大半はヒスパニック系の移民就労者。彼らのその後を軸に、会社が移民労働者に頼った経緯、反移民条例の制定を巡る動き、過密養豚場における環境汚染や動物虐待を総合的にルポ。「米国産安い肉」生産過程の実像に迫る。

◉『信濃毎日新聞』2017年3月 26 日付

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