シックスクール問題と対策

¥ 1,800 (税別)

書籍内容

加藤やすこ[著]
四六判並製/248頁/1800円+税
ISBN978-4-8461-1813-6 C0036

学校の無線LANや、衣類用洗剤、柔軟剤の香料などで体調をくずし、電磁波や化学物質過敏症も発症し、学校にいけない子どもが全国にいます。海外でもシックスクール問題に対し、集団訴訟や反対運動がおきています。
本書は個別の事例を検証しながら、子どもたちの置かれている状況、保護者が直面している問題を明らかにし、どうすれば、すべての子どもが安全に学校で学べるかを考えます。
環境改善はすべての子どもの発症を予防することにもつながります。
(2018.8)

■内容構成
第1章 電磁波・化学物質で体調不良が発生
化学物質と電磁波で起きる異常とは/屋内は「化学物質のスープ」
化学物質過敏症への影響/電磁波過敏症の有病率
社会参加を阻む電磁波と化学物質/増え続ける電磁波汚染
電磁波で起きる主な症状/発達障害が増える原因とは
第2章 香料・化学物質のリスクと規制
1 室内濃度指針の対象物質はごくわずか
2 化学物質の毒性を示すGHS表示
日本でGHSを使わないおかしな理由
3 アレルギーを起こす香料を規制するEU
EUはアレルギーを起こす香料を調査/安全レベルの決定と禁止香料の発表
4 柔軟剤:二五製品から一三三種類の香料成分
三五%が香料による体調不良を経験/五〇%以上が無香料を好む/
アロマオイルの危険性
5 化学物質過敏症患者の訴訟と無香料ポリシー
職場の香料問題で裁判に/香料過敏症患者への合理的配慮
マサチューセッツ州も香料の害を警告/職場での喘息を防ぐための規制
カナダも「無香料ポリシー」を推進/無香料の病院を目指す
6 合成洗剤と柔軟剤
マイクロカプセルに発がん性物質/石けんメーカーが「香害」の広告
第3章 学校無線LANと電磁波の影響
1 教育の情報化を加速させる文部科学省
文部科学省も健康への注意を示す/携帯電話電磁波と脳腫瘍
国によって変わる被曝基準/学校無線LANの被曝量はどのくらい?
諸外国も教育のICT化を推進/ICT化で学力が低下する?
2 各国で起きている健康被害と反対運動
電磁波過敏症の少女が自殺/イスラエルでは保護者が集団訴訟
フランスは無線LANの設置を規制/ドイツも被曝削減に動く
有線を推進する自治体も登場
3 子どもと携帯電話・スマホの電磁波
子どもや若者の睡眠障害/心の健康にも影響/妊娠中の被曝で偏頭痛増加
電磁波被曝でアレルギー反応も増える/世界的に増える若者のがん
携帯電話とスマートフォンの注意事項
4 屋外にある無線周波数電磁波の発生源
導入が進むスマートメーター
5 二〇二〇年から第5世代移動通信開始
第4章 学校へ行けない子どもたち
1 柔軟剤を使う自由は、学ぶ権利より重い?
保健室や多目的室へ避難/「香り付き洗剤を使う自由」とは?
横浜市の公立学校への転校/アレルギー疾患の対応マニュアル
札幌と横浜の学校の違い
2 養護教諭が香料自粛ポスターを校内に掲示
学校が香料自粛のポスターを掲示/先生との信頼関係を築く
3 学校に入れず校庭で勉強
小学校の柔軟剤臭で体調悪化/紙粘土を使った後に高熱
校内の塗装後、教室に入れない/症状が悪化し保健室もダメに
屋外での学習ができないようにテントを撤去
4 友だちと地域の学校に通いたい
小学校のワックスで体調悪化/授業は週に一度、二時限のみ
5 特別支援学校から通信制の高校と大学へ
学校の耐震工事で通学不可能に/私立中学校は入学を拒否、特別支援学校へ
高校は症状に配慮し協力的/特別プログラムに参加/共に生きる社会システムを
6 電磁波過敏症で高校を自主退学
大学の無線LANで進学を断念
7 学校の無理解で高校受験を目前に転校
過敏症であることを伝える難しさ/ワックスや防カビ塗料で体調悪化
起立性調節障害を発症/部活動を辞めさせた中学校
体育館のウレタン塗装で症状悪化/高校受験を目前に転校へ
8 道路工事やワックスが原因で休学
保育園でも過敏症の子どもを拒否/道路工事が原因で小学校を転校
除草剤とワックスで三カ月休学/携帯電話基地局や無線LANの電磁波
化学物質過敏症への配慮/特別支援教室の開設を求めて
9 無線LANをオフにする小学校
就学前相談で小学校の無線LAN測定
10 無線LANから有線LANに変えた中学校
地デジテレビが引き金で電磁波過敏症に/電磁波を避けられるよう配慮
11 過敏症の子どもたちの現状
第5章 過敏症の子どものアンケート調査
小学生から大学生を対象に全国で調査/過敏症群は症状スコアが有意に高い
患者群は化学物質にも敏感/症状の原因と思われる化学物質と電磁波
学校に行けない子どもたち/すべての子どもと教職員のために環境改善を
第6章 安全な環境と社会をつくるには
1 自治体が香料自粛のポスター制作
市民の訴えでポスターを制作/保護者による市民団体の立ち上げ
過敏症の子どもへの理解と配慮を/教育委員会の回答と取材で分かったこと
2 化学物質過敏症の子どもに配慮した教科書
対応本はTVOCが大幅に低下/流通過程で付着するVOC
時間とともにTVOCも減少/教室内に四〇冊の教科書を置いた場合
今後の課題・情報提供と有害物質削減/化学製品のVOCが大気汚染の原因に
環境省もVOC削減を呼びかけ
3 障害のある子もない子も共に学ぶ
社会的障壁を取り除くのは社会の責任/合理的配慮を提供しないのは差別
国会でも過敏症を障害者として認める/学校無線LANと合理的配慮
予防原則を無視する総務省/意識の改善と法整備の推進を
4 発症者と非発症者が共に過ごす子育てサークル
職場の副流煙で化学物質過敏症に/発達障害の子育て支援を学ぶ
発症者と非発症者の交流で相互理解
5 社会と企業の認知を高めるために
第7章 子どもたちを守るためにできること
文部科学省のシックスクール指針/子どもに寄り添ったシックスクール対策
情報共有で保護者、教職員の負担を軽減/自然素材なら安全か?
低周波音にも注意/電磁波に対する対策

納品について

版種類

印刷製本版, 電子書籍版

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