書籍内容
纐纈 厚[著]
 四六判上製/232頁/2000円+税
 ISBN978-4-8461-2315-4 C0031
ロシアのウクライナ侵略に始まるロシア・ウクライナ戦争は、戦線が膠着し泥沼化しつつある。ドローンをはじめ先端科学兵器による死傷者は兵士・市民共に急速に増大している。今こそ戦争の即時停止と和平交渉の開始を求めたい。
 イスラエル・ガザ戦争をも含め、停戦を求める「私たち」の立ち位置を何処に求めるのか。日本の安全保障政策が非武装中立・非同盟を掲げ平和創造の実績を積んでいる国であるならば、歴史和解と停戦勧告をなす最適な国家と成り得る。しかし、アメリカに追随する日米安保体制では不可能だ。どうすれば平和実現の第一歩としての停戦を実現するために、深く連帯できる「私たち」であり得るのかを考える。
 (2024.1)
■内容構成
まえがき
第一章
 ロシア・ウクライナ戦争の停戦と和平交渉への道
 1.停戦を阻むものは何か
 滞る停戦の行方/停戦の歴史を振り返る/戦争終結の方途
 ロシア・ウクライナ戦争の新たな展開/戦争の様相
 ロシアは怯んでいるか/停戦協定締結までの困難な道
 欧米諸国の煮え切らない姿勢/矛を収めようとしないロシア
 2.ロシアのウクライナ侵略をどう読むのか
 NATOの東方拡大をどう見るか/侵略国家ロシアと「顧客国家」ウクライナ
 仲介役を担えないアメリカの事情
 3.アメリカはウクライナで何をしているのか
 アメリカはウクライナで何をしてきたか/戦争の実相は何処にあるのか
 軍事ブロックが平和を阻害している/ロシアの継戦能力とプーチン大統領の現在
 台湾有事はあり得るのか/中国は本当に脅威なのか
 4.和平派と正義派との乖離を超えて─なぜ、停戦論が深化しないのか─
 対立する停戦論/歪められた和平論/普遍性欠く正義派の主張
 乖離を超える議論とは何か/アメリカの二重基準
 第二章
 安全保障問題の現段階~戦争の「できる」国から「する」国へ~
 1.戦争の「できる」国から「する」国へ
 戦争モードに入った日本の現状/軍事要塞化する日本列島
 抑止力論の過ち
 2.アメリカの軍事戦略に追随する日本
 既存の「安保三文書」の内容/「安保三文書」を規定する米軍事戦略
 高度ミサイル・システムの日本への導入
 アメリカの作戦計画に組み込まれる自衛隊
 増強される在日米軍兵力と中国敵視政策
 焦点は基地攻撃能力保有と防衛費増額問題
 3.日米安保のNATO化を許してはならない─多国間軍事ブロックへの参入─
 顕在化する対米隷従姿勢/臨戦態勢強いる多国間軍事ブロック
 拍車かかる自衛隊の軍拡/なぜ沖縄・南西諸島が戦場になるのか
 4.反撃能力論と防衛費増額の危うさ
 戦争を煽る公文書と日本の政治家たち/「安保三文書」の何処が問題か
 「安全保障環境の変化」とは何か/中国脅威論の虚構性
 「戦う覚悟」より「信頼する勇気」を/多重化する国際社会
 アメリカの焦燥と中国の自信/「一方的軍縮論」の提唱
第三章
 安全保障政策はどうあるべきか
 1.非武装中立・非同盟政策の提唱─平和実現の最終方途として─
 誰のための安全保障政策か/対米従属文書の極み
 中国は軍事的脅威か/中国と如何に向き合うか
 国家総動員体制が起動する/「帝国国防方針」の再来
 現代の「大本営」創設を明記/なぜ、非武装・中立論なのか
 非武装中立・非同盟の原理
 2.抑止力と同盟の限界を問う─国会での参考人陳述に絡めて─
 「安保三文書」批判から抑止力論批判まで/抑止力論は国連憲章違反である
 抑止力論がロシアのウクライナ侵略を誘引した
 反撃能力は抑止力とはならない/「安定と不安定」のパラドックス
 3.敵基地攻撃論の真相─専守防衛論から先制攻撃論へ─
 「先制攻撃」戦略を採用する自衛隊/専守防衛論を逸脱する敵基地攻撃論
 従来の政府答弁を大きく逸脱/抑止力から対処力への比重転換
 4.日本安全保障問題を論じる
 「いのちの安全保障」論/戦争への敷居が低くなっている
 「構造的不攻撃性」
第四章
 これからの私たちの取り組み
 1.〝日中経済戦争〟を許してよいのか
 進行する行政主導の日本政治
 セキュリティクリアランスの名による選別と排除
 戦後版「国家秘密法」の浮上/「経済安保法」の何が問題か
 2.漂流するリベラリズム
 〝リベラル国際秩序〟の崩壊/暴力を独占する近代国家の在り様を問う
 現代戦争の深淵と私たちの課題は何か/戦後日本を通底する三原理
 平和実現の方途を探る
 3.いまこそ非武装中立・非同盟政策の実践を!─平和実現の最終方途として─
 「防衛外交」論浮上の可能性/政治と軍事の関係から
 「防衛外交」の是非をめぐって/安全保障とは何か/安全保障の定義
 「安全」は何によって「保障」するのか/なぜ、非武装・中立論なのか
 非武装中立・非同盟の原理
注
 あとがき











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