アレルギーの人の家造り[増補二訂版]─シックハウス・住宅汚染の問題と対策

¥ 2,000 (税別)

商品コード: 1715-3 カテゴリー: , , ,

書籍内容

足立和郎[著]
A5変形判並製/200頁/2000円+税
ISBN978-4-8461-1715-3 C0336

2002年の建築基準法改正はシックハウス対策のためでしたが、室内汚染はほとんどなにも改善されず、逆に悪化する傾向です。しかもシックハウスを回避し、改善するための建材として注目されてきた、エコ建材や自然素材・天然素材までもが、アレルギー疾患や化学物質過敏症の人にとっては、症状を悪化させる要因になっています。
初版より十年近くが経過しましたが、問題はより深刻になっています。本書は、最新情報をもとに、有害建材・一般住宅の危険性を含め、自然素材やエコ建材、自然住宅やエコ住宅の問題点、室内汚染を回避するための方法と対策、いざというときの対処法、空気清浄器や代替品、アレルギーを起こす物質を封止する方法などについて、わかりやすく解説します。患者の目線にたったはじめての建築本です。(2017.08)

■内容構成
増補改訂版の出版にあたり
Ⅰ シックハウスは何も解決していない
Q1 シックハウス法施行で住宅は本当に安全になったのでしょうか? 工務店やハウス
Q2 法律施行で下がったのは「ホルムアルデヒドだけ」と聞きましたが本当?
Q3 何年経っても合板から、ホルムアルデヒドが発生するのは本当ですか?
Q4 アレルギー疾患のある人には、新築の建物は安全ですか?
Q5 シックハウス症候群から化学物質過敏症になる人が増えているのは本当?
Q6 有機リン系薬剤の危険性、未だにタタミの防虫シートに使われていますか?
Q7 シックハウス症候群は、建材以外にも原因があると聞きましたが?
Q8 塩化ビニル壁紙は、今でも問題があるのでしょうか?
Ⅱ エコ建材・自然素材を再度検証する
Q9 自然素材やエコ建材にも、健康に良くないものがあると聞きましたが?
Q10 自然塗料からホルムアルデヒドが出るって本当ですか?
Q11 自然塗料にアレルギーを起こして使えない人がいるのは本当ですか?
Q12 化学物質を吸着・分解するという商材は本当に有効性があるのですか?
Q13 再生紙の壁紙は本当に安全ですか?
Q14 古新聞紙を利用したリサイクル断熱材は本当に問題ないのでしょうか?
Q15 木材から天然の化学物質のTVOC、ホルムアルデヒドがでるって本当?
Q16 高気密・高断熱住宅に問題点はあるのでしょうか?
Q17 オール電化住宅は余計にお金が掛かり、CO2の排出量も増えるのですか?
Q18 枕木を利用したガーデニングは環境汚染を引き起こすというのは本当?
Q19 床下に敷く炭についてのよい点、悪い点を教えて下さい
Q20 天然系のシロアリ駆除剤について、問題点を教えてください
Q21 ワラ床畳の問題点を教えてください
Q22 伝統的壁材の問題点を教えてください
Ⅲ アレルギーがある人・ニオイに敏感な人の住まいづくり
Q23 シックハウス症候群と化学物質過敏症、どこが違うのですか?
Q24 住みながらのリフォーム工事をさけるのはなぜですか?
Q25 シロアリ駆除剤で病気になった住宅は、リフォームしても住めない?
Q26 構造材・内装材に何を使用したら良いのか教えてください
Q27 有害物質を封止する塗料があると聞きましたが、どのような塗料ですか?
Q28 アレルギーをおこしにくい断熱材はありますか?
Q29 壁紙で安全に使える物を教えてください
Q30 しっくい(漆喰)について教えてください
Q31 ニオイに敏感な人やCSの患者でも、使える畳がありますか?
Q32 アレルギーの人・CS発症者は、暖房を何にしたら良いのでしょうか?
Q33 アレルギー疾患が重い方・CSの人の住宅のポイントはありますか?

[プロブレムQ&A]

納品について

版種類

印刷製本版, 電子書籍版

書評

省エネ・高気密住宅が悪化を促進

ある日、著者の足立和郎さんが日消連事務所を訪ねて来られました。香害をなくす活動の担当者に伝えたいことがあるというのです。空気汚染である香害は、柔軟剤や消臭剤などがそもそもの原因ですが、昨今普及した省エネ・高気密住宅が悪化を促進しているということでした。
建物の換気がされにくい環境が体調不良につながる。その話は目から鱗でした。私や家族は、鼻炎やじんましんなどアレルギー症状に悩まされています。一時的に症状を抑える薬に頼るのではなく、根本的な治療はないものかと考えていましたが、建物には思い至りませんでした。
この本では、建築家である足立さん本人が化学物質過敏症(CS)を患い、苦悩しながら安全な住まい造りを模索してきた経験が語られています。、また同じく苦しむ人の建築・リフォームの相談に乗る中で得た、対処法の数々が披露されています。
考えさせられたのは、天然住宅や再生紙というエコなイメージの言葉とは裏腹に、それらを取り入れてCSを発症させたケースです。一般に木の香りは良いものと思われていますが、せっかくの「木造りの家」で天然化学物質のTVOC(総揮発性有機化合物)により、体調を悪化させるケースがあるそうです。また再生紙を使った壁紙や断熱材は要注意だそうです…バージンパルプに比べて多くの薬剤を使って製品化するため、それらが空気中に揮発してくる可能性があるからです。
足立さんはこの頃、就学前の乳幼児のCSの相談が増えていることを最も気にしています。母親の妊娠中に体内曝露が起きているのではないか、と。新婚で住まいを選ぶ人にも参考にして欲しい1冊です。

【杉浦陽子・本誌編集長】
◉『消費者レポート』2020年12月20日付

 

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