[近日刊行]非武装中立のリアリズム

¥ 2,700 (税別)

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書籍内容

纐纈 厚[著]
四六判並製/276頁/2700円+税
ISBN978-4-8461-2-2511-0 C0031

ロシアのウクライナ侵攻、ガ ザ地区をめぐるイスラエルと ハマスの戦争、中国と台湾の緊 張、戦争や紛争がいまや当たり 前になってしまった世界で、こ れらの戦争を抑止・防止出来る 力は軍事的安全保障なのであ ろうか? 否、むしろ軍事的安 全保障では戦争を抑止できな いことは、歴史的常識と言え る。非武装中立論は空論のよう にみえるが、実はそうではな い。非武装中立のリアリズムを 考える。(2025.10)

■内容構成

序 章  安保繁栄論から〝安保衰亡論”へ
繁栄から従属、そして衰亡へ /〝アメリカ軍化〟する自衛隊 /着々と進む有事即応体 制 /本書で何を論じるのか
第I部 転機迎えた安全保障政策— ——————————
はじめに

第1章  新安保法制成立は、日本衰亡のはじまり
新安保法制で何が変わったのか /アメリカに追随する日本 /戦力の中心は核兵器とミ サイル /対中敵視論と軍事ブロックへの参入 /国家総動員体制を志向 /統合作戦 司令部設置 /交差しない議論

第2章  新たな安全保障論の展開
「代替国家」日本 /自衛隊の活動範囲拡大 /自衛隊とアメリカ軍の統合化の動き / 「防衛外交」論浮上の可能性 /「安全」を何で「保障」するのか /安全保障の再定義
/実体なき「専守防衛」戦略

第3章  拍車かかる戦争のグローバル化
戦争のグローバル化 /安全保障論の課題 /マルチプレックス(多層化)の時代に /後退するアメリカの軍事覇権 /「人間の安全保障論」 /私たちの位置
第II部 脱抑止脱同盟への途————————————
はじめに

第4章  脱抑止論に向けて――専守防衛論から先制攻撃論へ
抑止力とは何か /抑止が成立する条件 /抑止と同盟の失敗事例 /「安定と不安定 のパラドックス」 /抑止力は算定可能か /なぜ、抑止論が幅を利かすのか /多様な抑止論議 /抑止から関与へ 
国恫喝 /反故にされる政府答弁

第5章  中国敵視論の危うさ
中国の「国防白書」を読む /脅威論の真相 /韓国の抑止論 /「意図×能力」=脅威 /脅威設定の理由 /日本の外交防衛と中国敵視論

第6章  相互抑止の陥穽
米中貿易戦争の新段階 /中台日の相互抑止論 /中国も北朝鮮も戦争は望まない /
最大の「敵国」はアメリカか /抑止論と同盟論の同質性 /自衛隊南西諸島配備は対中
第III部 非武装中立非同盟政策のリアリズム— ————
はじめに

第7章  安全保障論から除外される非武装中立論
多義的で曖昧な安全保障論 /軍事への過剰な偏在 /武装抵抗か非武装抵抗か /「平 和を望むなら、平和の準備を」の格言 /市民的防衛の展開 /「攻め込まれた」場合ど うするか /非武装非暴力行動の実践 /非武装国民抵抗の研究 /非武装中立への 途

第8章  軍事的安全保障論からの脱却
「脅威対象国」としての中国 /「一方的非武装化構想」 /日本の安全保障論の展望 /リベラルな国際秩序の終焉 /戦争なき国際秩序の形成 /非武装の前段階としての自 衛隊軍縮

第9章  非武装中立政策のリアリズム
平和憲法は非武装中立を求めている /憲法学者の非武装論 /引き合いに出されるコス タリカの事例 /非武装国家の陣容 /石橋正嗣『非武装中立論』再読 /山川均の非武装中立論

終 章  安保からの脱出――「未来に過去がやってくる」前に
浮上する自立志向 /孤立深めるトランプ米政権と日本の世論 /対立から共立を目指す 防衛政策へ /自立的安全保障政策の提言

あとがき

 

納品について

版種類

印刷製本版, 電子書籍版

著者紹介

[著者略歴]

纐纈 厚(こうけつ あつし)
1951年岐阜県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。 博士(政治学、明治大学)。現在、明治大学国際武器移転史研究所客員研究員。前明治大学特任教授、元山口大学理事・副学長。専門は、日本近現代政治軍事史・ 安全保障論。
著書に『日本降伏』(日本評論社)、『侵略戦争』(筑摩書房・新書)、『日本海軍の終戦工作』(中央公論社・新書)、『田中義一 総力戦国家の先導者』(芙蓉書房)、『日本政治思想史研究の諸相』(明治大学出版会)、『戦争と敗北』(新日本出版社)『崩れゆく文民統制』『重い扉の向こうに』『リベラリズムはどこへ行ったか』(緑風出版)など多数。

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